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阪神セ独走態勢のナゼ…“防御率1点台だらけ先発陣”だけでない盤石さ「救援は3連投ほぼなし」「富士山型の打線」「じつは守備率が大改善」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2025/07/15 11:05

阪神セ独走態勢のナゼ…“防御率1点台だらけ先発陣”だけでない盤石さ「救援は3連投ほぼなし」「富士山型の打線」「じつは守備率が大改善」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

11連勝するなどセ・リーグで独走態勢に入った阪神。強さの要因とは

 過去4年間のチーム守備率は以下の通り。

21年.984(6位)143試合86失策
22年.984(6位)143試合86失策
23年.984(6位)143試合85失策
24年.985(5位)143試合85失策

 と判で押したように似たような数字で推移していた。しかし今季は、

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25年.989(1位)85試合34失策

 と急速に守備率が上がっている。このペースだとシーズン終了時点での失策数は57となる。これも「主力選手を固定した」ことが大きいと思われるが、守備の上でも「競り合いに強い」チームができつつある。

ドリス復帰は救援出身・藤川監督の“熟知”だろう

 追いかける巨人は、7月に入って米マイナーから乙坂智を獲得。チェコ出身のフルプを支配下登録。DeNAは藤浪晋太郎、フォード、ビシエドとNPBで実績のある選手の獲得に動いている。少なくともこの2球団はまだ優勝をあきらめていないといえよう。

 阪神は2019年までクローザーとして活躍した37歳のドリスを独立リーグ高知から呼び戻すとの報道がある。阪神の救援陣を長年支えてきた藤川監督は、厳しい夏を迎えて救援陣が逼迫することを熟知しているのだ。

 2年ぶりのリーグ優勝に向けて、阪神は盤石の構えとなっている。甲子園のチケットは終幕まですべて売り切れているが――大観衆の前で藤川新監督の胴上げを見ることはできるのだろうか?

1週間の成績で見ても阪神の勢いが止まらない

《第15週》 ※2025年7月7日から13日まで
【チーム順位】
 セは前掲したのでチーム順位は割愛。

・第15週
阪神6試5勝1敗0分率.833
中日5試4勝1敗0分率.800
巨人5試3勝2敗0分率.600
DeNA5試2勝2敗1分率.500
ヤクルト5試1勝3敗1分率.250
広島6試0勝6敗0分率.000

 阪神の勢いが止まらない。対照的に広島が6連敗して通算では2位から4位に順位を下げた。

〈パ・リーグ〉
・チーム順位
日本ハム83試49勝32敗2分率.605差-
ソフトバンク83試46勝34敗3分率.575差2.5
オリックス81試44勝34敗3分率.564差3.5
西武82試41勝40敗1分率.506差8.0
楽天82試38勝42敗2分率.475差10.5
ロッテ79試31勝47敗1分率.397差16.5

・第15週
日本ハム5試4勝1敗0分率.800
楽天6試4勝2敗0分率.667
ソフトバンク6試3勝3敗0分率.500
西武6試2勝3敗1分率.400
オリックス6試2勝4敗0分率.333
ロッテ5試1勝3敗1分率.250

 混戦状態の中から、日本ハムが抜け出しつつある。ロッテの不振が目立つが、上位3球団に西武、楽天が食い込むことができるか?

【次ページ】 近本に佐藤、伊藤に岩崎、石井…主力が好成績

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