酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
阪神セ独走態勢のナゼ…“防御率1点台だらけ先発陣”だけでない盤石さ「救援は3連投ほぼなし」「富士山型の打線」「じつは守備率が大改善」
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2025/07/15 11:05
11連勝するなどセ・リーグで独走態勢に入った阪神。強さの要因とは
〈救援陣〉
岩崎優 8試0勝0敗7S0H8回1球6振 率0.00
石井大智 8試1勝0敗0S6H8回0球6振 率0.00
及川雅貴 6試1勝1敗0S4H5回0球4振 率1.80
湯浅京己 4試0勝0敗0S3H2回0球3振 率0.00
桐敷拓馬 5試0勝0敗0S1H4.1回1球4振 率0.00
岩崎優が7セーブ、石井大智が6ホールド、及川雅貴が4ホールド、湯浅京己が3ホールドだが、最も多い岩崎、石井でも8登板。この間、5回までに降板した先発が皆無だったこともあり、猛暑の季節に向けて「救援陣を酷使していない」ことも大きい。阪神救援陣は今季ここまで3連投をほぼさせず、負担の少ない適度な登板間隔で投げた救援陣が、それぞれの役割を果たしたといえるだろう。
打点数が「美しい富士山型」の打線
そして打線。
ADVERTISEMENT
1(中)近本光司15試60打21安0本2点4盗 率.350 OPS.835
2(二)中野拓夢15試57打17安0本3点4盗 率.298 OPS.650
3(右)森下翔太15試56打17安4本10点1盗 率.304 OPS.971
4(三)佐藤輝明15試57打19安5本13点0盗 率.333 OPS1.075
5(一)大山悠輔15試52打19安0本10点1盗 率.365 OPS.847
6(左)前川右京13試29打6安0本1点0盗 率.207 OPS.448
7(遊)小幡竜平12試37打11安0本3点0盗 率.297 OPS.744
8(捕)坂本誠志郎13試36打9安0本2点0盗 率.250 OPS.733
1番から8番までがほぼ固定され、打点数の推移は美しい「富士山型」になっている。
近本、中野の1、2番が出塁し、足で塁上を賑わすと森下、佐藤輝、大山が10打点以上と走者を返している。まさにクリーンアップ。本塁打を打っているのが森下と佐藤だけというのも、役割分担が明瞭だ。
6番の前川がやや打撃不振のため、熊谷敬宥あたりに代わる可能性があるが、阪神は「先発がチームをけん引し、固定された打線が自分の仕事をする」というオーソドックスなスタイルで独走態勢に入ったといえよう。
ヤクルトの村上宗隆、巨人の岡本和真がほとんど出場できていない中、24本塁打、62打点でリーグ1位を走る佐藤輝明は初タイトルの可能性が高くなっている。
じつは大幅に向上した「守備成績」
もう1つ、特筆すべきは「守備成績」が大幅に向上している点である。


