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なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
「モモコは世界一になる」“天才的ゴール連発”なでしこ20歳MFの本音は「まだまだです」「きょうだいゲンカ、恋しいですよ」谷川萌々子に直撃
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了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGualter Fatia/Getty Images
posted2025/07/13 17:00
バイエルンでの1年目を過ごした谷川萌々子。なでしこジャパンを将来を担う20歳に話を聞いた
「試合で自分を少しは証明できて、信頼っていうのは少し上がったかもしれないですけど、まだまだボールを受ける数は少ないな、って感じます。なので、もっと味方に信頼してもらえるような安定したプレーができたらいいのかな」
得点だけではない信頼――それを掴みきれた感触は、まだまだ得られなかった。
リーグ戦での先発こそ続いたが、3月26日CL準々決勝リヨン戦では先発したものの終了間際で負傷。昨年オリンピック前にも負傷していた足首だった。ドイツ杯準々決勝での活躍で存在を示した谷川だったが、そのドイツ杯決勝には間に合わず5月に入ってリーグ戦2試合に出場したところで今季は終了した。
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この負傷にこそ、谷川は今の課題の一つがあるという。
つまり長時間負荷の高いプレーに年齢的にも、経験値的にもまだまだ耐え切れないのだ。それはクラブと協力して長期的に取り組んでいるテーマでもあるという。
「毎週90分間試合に出続けるためにも、まだまだフィジカルの部分で……うん、上げていく必要があるっていうのも、フィジカルコーチとも話して取り組んでいます。例としてあげると、クララ・ビュールっていう選手がいて(22試合出場7得点、チームの主力)、3、4年前は今の私みたいに怪我をしていたそうなんですけど、去年からはずっと毎試合出続けられるようになって。そういう意味で筋肉の量を増やしたり、対応できるようにしていくっていう。そういう段階です」
2、3年後にはCLでバリバリ活躍できるように
試合に長時間出て、チームに貢献するにはまずフィジカル。その上で、飛躍も成長も誓う。
「2、3年後にはチャンピオンズリーグ決勝トーナメントの舞台でバリバリ活躍できるようにしていきたい。今は続けるしかないかなと。ミドルシュートはひとつの自分の武器でもあるので、自信持ってシュートをどんどん打っていきたいなっていう風に思うんですけど、でもそれは1つの武器であって、他にも違いを見せれるというところを証明していきたいなって思います」
まだまだ荒削りで可能性だらけ。谷川萌々子ならなでしこジャパンを再び高みに導いてくれる期待を抱かせる存在ではある。そんな彼女はどのように育ったのか。
「きょうだいゲンカとか、それすら恋しいですよ」
こう語るのは、早くから親元を離れてサッカーに打ち込む人生を送っていたから――。〈つづく〉

