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なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
「モモコは世界一になる」“天才的ゴール連発”なでしこ20歳MFの本音は「まだまだです」「きょうだいゲンカ、恋しいですよ」谷川萌々子に直撃
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了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGualter Fatia/Getty Images
posted2025/07/13 17:00
バイエルンでの1年目を過ごした谷川萌々子。なでしこジャパンを将来を担う20歳に話を聞いた
パリ五輪ではブラジル戦に続くナイジェリア戦では93分からの出場で、シービリーブスカップのコロンビア戦直後の、アメリカ戦は出場なし。本人としてはその事実には満足感を得られるものではなく、いくらゴールが華やかでも指揮官の評価に繋がり切れていない何かがあると感じている。
「疲労があったと思われたのかもしれないですけど、次に向けていくしかないですね」
意味がないとまでは言わないまでも、喜びきれない。
「モモコは世界一の選手になる」バイエルンへ
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谷川は今年5月に20歳になったばかり。当然のことながら高校を卒業してからまだ1年と少ししか経っておらずそのキャリアはまだ短い。
昨年1月に高校卒業を前にドイツのバイエルン・ミュンヘンと契約、昨年1年間はバイエルンではなくスウェーデンのFCローゼンゴードでプレーした。実戦形式に慣れることを重視したレンタル移籍だったと見られ、いきなり背番号10を背負い、シーズン20試合で16ゴールを挙げリーグ得点王にも輝いた。チームは25勝1敗で優勝、紛れも無い立役者のひとりとなった。「モモコは世界一の選手になる」とローゼンゴードから高い評価を受け、24/25シーズン後半戦からバイエルンに復帰した。
春秋制のスウェーデンで、1シーズンを通して戦ったことは良かったが、強豪チームにシーズン半ばから入る難しさはそれなりにあった。谷川の名をドイツ中に知らしめたのは加入後3試合目となる2月12日、ドイツ杯準々決勝フランクフルト戦だった。それまでは、1試合目でベンチ入りも出場なし、2試合目では90分から出場というごく短い出場時間で、このフランクフルト戦も出場は85分からだった。
だからこそ、気合いと覚悟を持って谷川はピッチに立った。
「あの試合はホントに、個人的にもすごく気持ちが入ってた試合で。あの試合の前は1分ぐらいしか出場がなかったので、クラブに自分を証明したかったなっていう気持ちが強くて」
0-1の状況から、90分に入って味方が得点を挙げ延長戦に突入する。93分、バイエルンの左CKを相手がニアサイドでクリアするも、ボールはペナルティエリア角付近にいた谷川に渡る。谷川はゴールを目指すそぶりを見せつつ縦に突破、相手3人をかわしゴールライン付近からマイナスのクロスを入れると、ニアに詰めたヴィゴスドッティルが左足で押し込んだ。ヴィゴスドッティルはそのまま谷川に駆け寄り、歓喜の輪が出来上がった。
さらにその11分後、中盤でやや左でパスを受けた谷川は中央へ流れながらフェイントで相手をかわしボックス手前から左足を振り抜き、ゴール中央に突き刺した。
まだまだフィジカルの部分で…うん
谷川はこの一戦について、こう振り返る。

