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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「ミナの何が素晴らしいって…」対戦相手との“キスシーン”も話題に…なぜ白川未奈はアメリカでウケている? スターダム退団後に語った“覚悟”
text by

橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byShiro Miyake
posted2025/06/30 17:01
スターダムからアメリカAEWに移籍した女子プロレスラーの白川未奈
白川によると、アメリカの選手も感情を出すのだが、そこにネガティブな要素は一切ないという。
「たとえば日本の団体の選手だったら“実力的には勝てるかどうか分からない。でもファンのみなさんの声援が何よりの力になります”みたいなことも言いますよね。でもアメリカの団体ではダメなんです。自信なさげなところを見せちゃいけない。自分がいかに強いか、勝つ自信があるかを話しなさいと」
だが白川はそうではなかった。芸能界では“その他大勢”からどうやって抜け出すか暗中模索。プロレスラーになっても、常に自分の“実力”と向き合ってきた。
アメリカでも“変えない”こと
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泣くのは嬉しい時ばかりではなかった。負ける悔しさ、プロレスにまつわる喜怒哀楽すべてを白川は味わい、それを隠すことなく表現してきた。アメリカでも、そこを変えるつもりはない。
試合では、何年も前のことを思い出すこともある。
「あっ、今の場面って東京女子プロレスのコーチに言われたことあるなって」
スターダムに代表される、手数の多い“日本の女子プロレス”は、女子団体が(体格やパワーが違う)男子との差別化をはかりながら独自の発展を遂げたものだと言われる。一方、アメリカでは同じ団体で男女ともに試合を行い、その“基本”は同じだ。DDTから派生して生まれた東京女子プロレスは、広義の“アメリカンプロレス”とも言える。
「だから今、あらためて東京女子プロレス時代の試合を思い返したり。スターダムでは使わなくなっていたロメロスペシャルも、アメリカでは使うことが出てきましたね。試合の流れしだいなんですけど。ということは、やっぱり流れとか“間”が違うんです」
「私は“ライブショー・カリスマ”だって」
現在はAEWの道場があるフロリダ在住。生活の基盤を作りながら“AEW所属”であることを実感している。
「会場にいるとクリス・ジェリコさんやブライアン・ダニエルソンさんが声をかけてくれて。オカダ・カズチカさんもいる。プロレスファンとして一番熱心に見てたのがオカダさんと棚橋(弘至)さんの対戦だったので、ちょっと信じられないですね」

