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「真っ先にアントニオ猪木さんに報告したい」念願のIWGP女子王座獲得…Sareeeは“猪木の墓前”で何を伝えた?「今のプロレスにも戦いはありますよ」
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/06/24 17:22
Sareeeは總持寺の猪木家の墓を訪れて、IWGP女子王座に就いたことをアントニオ猪木に報告した
「猪木さん、IWGP取りました。本当に苦しい戦いだったけれど、このベルトを巻いたことがゴールだと思ってはいない。これで戦いが始まったんじゃないかな。相当な責任、覚悟を感じる。でも、それを背負う覚悟が私にはあります」
「IWGPのベルトは世界のベルトだと思っている。それを、自分が信じる戦い方で証明していきたい。(猪木さんのように)常に何かに挑戦したい。何かと戦っていきたい。プロレスラーとして、たくさんの人に勇気や夢を与えていきたい。不可能を可能にしていきたい」
挑戦者は現れず「スターダム、それでいいのかよ」
Sareeeが戴冠した日、リングに次の挑戦者は現れなかった。
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「誰も出てこなかった。スターダム、それでいいのかよ。本当にそれでいいのか。スターダムが女子プロレス界一番の団体っていうんだったら、私がベルト巻いた時点で、誰か出てこないといけないんじゃないかな。まだまだスターダムには刺激がないな。でも、誰が最初に名乗りを上げてくるのか。スターダムの選手とはほとんど戦ったことがないし、絡みもないから、誰と当たっても新鮮です。楽しみですね」
SareeeはいとおしそうにIWGP女子のベルトに目をやると言った。
「(いろいろなベルトを巻いてきたけれど)IWGPはもう最高ですね。ただこの女子王座は歴史がそんなにあるベルトではない。私で5代目。私がしっかり作り上げていきたい。IWGP女子って言ったらSareeeと思われるように、歴史に残る戦いをしたい。ただ守るだけのベルトじゃなく、このベルトとともにプロレスラーSareeeは進んでいきたい。誰が来ようと、私は逃げも隠れもしない。いつ何時、誰の挑戦でも受けます」
「上谷沙弥とはタッグで7月14日に当たる。赤いベルトとIWGP、どっちが上なのかわからないですけど、私は負ける気がしない。スターダム参戦からの計画は順調です。彩羽匠とはタッグのベルト巻いてからも、互いにシングルで結果出しているので、(ノアの)GHC女子とIWGP女子も楽しみにしておいてほしいです」
「今までにないような刺激的なベルトに」
朱里との攻防は一歩も引くことができない展開になった。
互いに頭突きをぶち込み、激しく蹴った。投げて、腕を取り、足も取った。ヒジもヒザも容赦なくヒットした。
Sareeeはグラウンドでアンクルホールドやヒザ十字固めを狙ったがうまく足が回らず、最終的な形にはならなかった。この時は少し朱里に分があるようにも見えた。



