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落合博満に「ここまで来たら50歳までやれ」と…「100万回やり直してもない」“奇跡の野球人生” レジェンド・山本昌が語る「令和のドラゴンズ」
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酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph byNanae Suzuki
posted2025/06/20 11:04
現役引退から10年が経ち、今年で還暦を迎える元中日の山本昌。30年以上も現役を続けたレジェンドが見る「令和のドラゴンズ」評とは?
プロ野球には格言がある。
《借金5を完済するのは1カ月かかる。借金が10になると2カ月かかる》
いまはじっと耐える時だ。
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夏以降に巻き返していくためにも、交流戦に入った6月以降の戦いがシーズンの行方を決めると言っていい。
レジェンドが語る「令和の中日ドラゴンズ」
今季のセ・リーグは各球団ともに同一カードの3連敗が目立つ。そのなかで中日だけが6月3日からのソフトバンクとの3連戦で3連敗するまで、スイープを免れてきた。山本昌はこの点を評価する。
「今シーズンの戦いで、そういうところの踏ん張りはできています。あとは故障している野手陣が一人ふたりと帰ってくれば、また状況は変わってくると思います」
ここまでの中日の戦いにおける生命線は安定感のある投手陣である。チーム防御率2.85は6月17日時点でリーグ5位だが、昨季の2.99と同様に大崩れしない(以下、今季成績は6月17日現在)。
「松葉(貴大)は頑張ってくれていますし、(髙橋)宏斗はいま、少し調子が良くないのですが、彼がしっかり投げて、金丸(夢斗)投手やファームにも草加(勝)という投手もいます。涌井(秀章)も頑張っているし、リリーフ陣は巨人に移籍したライデル・マルティネスの穴を感じさせないぐらいで、いいのは間違いありません。彼らが踏ん張って、なんとかベストメンバーが揃った時には反攻期に入るとみています」
先発陣は経験豊富なベテランと気鋭の若手が融合して先発ローテーションを組む。そして救援陣においては、5年連続で20セーブ以上を挙げ、22、24年のセーブ王に輝いたマルティネスの巨人への流出が大きな痛手になるとみられていた。
だが、松山晋也がここまでリーグトップの25セーブを挙げてその穴を埋め、清水達也や橋本侑樹、勝野昌慶らがわきを固める。今後も接戦を拾いながら、上位進出を窺う戦いになりそうだ。

