落合博満に「ここまで来たら50歳までやれ」と…「100万回やり直してもない」“奇跡の野球人生” レジェンド・山本昌が語る「令和のドラゴンズ」 

　現役引退から10年経ったいまも、野球への情熱は尽きない。

「小山（裕史）先生のところに行って、いろんなフォームを追求して、20年、勉強させてもらいました。僕はいま、いろんな選手をまず、その動作解析から見るようにしています。フォームのメカニック、動きのオタクなんですよ」

晩年まで独特のフォームを追求した　©BUNGEISHUNJU

　古巣への感謝の思いは強く、ペナントレースの頂点を目指してグラウンドで戦う後輩へのまなざしは温かい。

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　今季の中日は開幕から主力野手に故障者が相次ぎ、陣容が整わないなかでも我慢しながら戦っている。開幕から借金を背負うなか、「5」のラインで踏みとどまり、巻き返しへの態勢を整えようとしている。

　山本昌は言う。

「開幕オーダーのうち、（取材日の時点で）4人がいませんよね。そういう状況で、逆によくやっているなと思います。ただ、いつ決壊してもおかしくない。これだけの投手陣がいて、完封負けは10回を超えました。いまは、踏ん張り時でしょうね」

借金5以内なら「いつでもチャンスがある」

　野手陣は開幕早々から、まったく足並みがそろわなかった。4月中旬には開幕4番の石川昂弥が極度の不振のため二軍に降格した。また、細川成也が右太もも痛で、木下拓哉が左ハムストリングスを負傷し、中田翔も腰痛で離脱した。そんな状況でもナインは交流戦で奮闘し、持ちこたえている。

　山本昌は現役生活で、リーグ優勝6度、日本一も1度経験するなど、強い中日の象徴である。長丁場のペナントレースを優位に戦っていくためには、ひとつの摂理があるという。

「借金5を超えずに踏ん張っているんですよね。そこは評価できると思います。どこかで『5』を大きく超えてしまうと落っこちていってしまう。『5』以内にいれば、いつでも上位進出のチャンスはあります」

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