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「ナカタニに食らいつくなんて…」中谷潤人と西田凌佑“衝撃のTKO決着”に英国人記者も興奮「中谷は増量したらもっとすごいボクサーになる」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byHiroaki Finito Yamaguchi

posted2025/06/10 11:05

「ナカタニに食らいつくなんて…」中谷潤人と西田凌佑“衝撃のTKO決着”に英国人記者も興奮「中谷は増量したらもっとすごいボクサーになる」<Number Web> photograph by Hiroaki Finito Yamaguchi

西田凌佑(右)に言葉をかける中谷潤人

 話をナカタニに戻すと、ここでの私の見方が少し厳しくなってしまったのはもともとの評価が極めて高いからだというのは理解して頂きたい。戦績、戦歴が示す通り、ナカタニはとてつもないボクサーだ。そして、一度高い基準を設定してしまうと、少しでもそれを下回った際に厳しい評が出てくるのは仕方がないことだ。

井上尚弥戦では戦い方を変える?

 SNSなどではニシダ戦のあと、“あの戦い方では井上尚弥に圧倒されてしまうだろう”という投稿を幾つか目にした。私はそういった意見には必ずしも同意できない。2人の対戦が実現すればイノウエが勝つとは思っているが、その予想はニシダ戦での戦い方から導き出されたものではない。

 ナカタニ対ニシダ戦はバンタム級の2団体統一戦であり、リングマガジンのタイトルもかかったビッグファイトだった。ただ、イノウエ戦は文字通りのスーパーファイト。イノウエとの試合に臨む際のナカタニは、ニシダ戦とはまったく異なる戦い方をするという確信がある。そして、それほど重要な一戦が視界に入っているのであれば、今こそがスーパーバンタム級に上げるべきタイミングなのだろう。

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 1つ上の階級にイノウエがいなかったら、「ナカタニにはまずはバンタム級の4団体統一を目指して欲しい。急ぐ必要はない」と言っていたかもしれない。しかし、イノウエとナカタニの対戦は世界中のボクシングファンに待望される試合になった。彼らはお互いを避けてきたわけではなく、ファンはそれほど長い間待たされたわけでもないが、それでも今ではこの2人の激突を誰もが切望している。

【次ページ】 「偉大なボクサーと最高級の倒し屋」

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