プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「中川皓太・大勢・マルティネス」巨人連覇のカギを握る「勝利の方程式」“阿部監督版JFK”のキーマンとなる男とは?《セパ交流戦開幕》
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/06/03 17:00
巨人連覇のカギを握るリリーフ陣。(左から)中川皓太、大勢、ライデル・マルティネス
そのため27日には首脳陣が「積極的休養」として富山遠征を外して調整を行なわせるなどのメンテナンスを行なった。しかし28日の広島戦でもいきなり安打と四死球で無死満塁とハラハラドキドキのピッチングが続いていた。そして交流戦直前、今季23試合目の登板となった6月1日の中日戦では、同点の8回に1死一、二塁から2つの暴投とオルランド・カリステ内野手のタイムリーなどで今季初となる3失点で敗戦投手となってしまった。
もちろん大勢は巨人がリーグ連覇するためには、決して欠くことのできないリリーフ陣の重要ピースであることは間違いない。だからこそ少し疲れの見えた時点で、阿部監督は「積極的休養」を与えたり、コンディションにかなり気を配って起用してきている。
ただ明らかに状態が下降気味で、その中で交流戦に突入しなければならないのだ。
リリーフ陣の今後のキーマンとは?
ADVERTISEMENT
そんなリリーフ陣の中で、今後のキーマンとなる男がいる。
サウスポーの中川皓太投手だ。
中川は2018年オフに当時まだ現役だった阿部監督のアドバイスで、オーバースロー気味のスリークォーターから少し肘を下げたサイド気味のスリークォーターに変えて覚醒。19年には67登板で4勝3敗16セーブ、17ホールドをマーク。23年には大勢が故障離脱した6月以降はクローザーとして14セーブをマークした実績もある。
ただ、ここ数年は故障との戦いだった。22年は腰痛でシーズンでの登板はなし。昨年は開幕直後に左膝の故障で離脱。6月に一度は一軍復帰したが、状態が上がらないままに8月に再抹消されそのままシーズンを終えている。
今季は4月6日に一軍昇格すると、同19日に681日ぶりの白星もマーク。その後も順調に状態を上げて、交流戦前までに23試合に登板して防御率1・77、1勝15ホールドと数字を伸ばしてきているのだ。
そこで思い出すのが開幕前に大勢の起用方法、起用するイニングについて阿部監督が語ったこの言葉だった。


