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「勝たなくてはいけない馬になっていた」ダービー圧倒的1番人気エフフォーリアの惜敗…調教師が明かす真相「レース前夜、生まれて初めて眠れなかった」 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2025/05/31 17:00

「勝たなくてはいけない馬になっていた」ダービー圧倒的1番人気エフフォーリアの惜敗…調教師が明かす真相「レース前夜、生まれて初めて眠れなかった」<Number Web> photograph by Photostud

2021年の日本ダービーで圧倒的1番人気だったエフフォーリアだが、最後は鼻差でシャフリヤールに敗れた

「牧場で初めて見た1歳のときから、馬体がすごく立派で、血統背景からも楽しみでした。ただ、ずいぶん緩い馬で、難しいところや体質的に弱いところがあり、うちの厩舎に来てからもレース前は毎回疝痛を起こしていました」

 エフフォーリアは若武者の横山武史を背に'20年8月の新馬戦と11月の百日草特別を快勝。抜け出す一瞬の脚の速さに、鹿戸はクラシックを意識した。3戦目、'21年初戦の共同通信杯で重賞初勝利を挙げる。

「これはダービーだと。レース前に疝痛を起こすこともなくなりました」

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 皐月賞も好位から鋭く抜け出し優勝。新馬戦から相手が強くなるなか、一戦ごとに着差をひろげ、史上19頭目の無敗の皐月賞馬となった。同時に、ダービー戦線はこの馬の「一強」と見られるようになった。

「やはり、プレッシャーはありました。早くから1番人気になるのはわかっていましたし、勝ちたい、ではなく、勝たなくてはいけない馬になっていましたので」

 おさまったとはいえ疝痛が心配だったので、すぐケアができるよう、鹿戸は厩舎に寝泊まりするようになった。

「毎朝3時ごろ、いったん家に帰って犬の散歩をし、歩きながら調教のことをゆっくり考え、また厩舎に戻っていました」

レース前夜「生まれて初めて眠れなかった」

 大一番に向け併せ馬などでやる気を出させる稽古をし、走りたい気持ちにさせることができた。調教時計や馬体重などの数字より、レースに対して馬の気持ちを前向きにさせることを重視するのが鹿戸流だ。

「それは師匠の藤沢和雄先生から教わったことです。ただ、僕のプレッシャーは相変わらずで、レース前夜は、生まれて初めて眠れませんでした。また疝痛になったら嫌だなとか、レースでトラブルがあったらどうしようとか、あれこれ考えてしまって」

 ダービー当日、単勝1.7倍の圧倒的1番人気に支持されたエフフォーリアは、装鞍所でもパドックでも落ち着いていた。

「もともとそんなに悪いこともしないし、興奮しすぎる馬でもない。普段どおりの顔だなと。僕も当日はワクワクしていました。武史に乗り方の指示などはしていません。この馬に関してはよくわかっているので、任せていました」

 ゲートが開くと、エフフォーリアは速いスタートを切って好位につけた。1、2コーナーや向正面では掛かり気味に見えたが、引っ張り切れないほどの抜群の手応えと言うこともできた。

【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内の「ゴールの瞬間だけ、分が悪かった」エフフォーリアの“父仔3代ダービー2着”の物語「背中はクリスエスに似ている」【2021年の激闘を振り返る】で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。

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