欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
久保建英23歳vsモドリッチ39歳「吹っ飛ばし、抜き去った」後の敬意…“マドリー栄光の10番”涙と笑顔の別れ「好きになった言葉を」
text by

中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2025/05/29 17:02

ラ・リーガ最終節で実現した久保建英vsモドリッチ。このマッチアップが見納めとなるのだろう
するとゲームは一時中断。マドリーの10番は、ピッチ中央でぐるっとスタジアム全体へ別れの挨拶を送った。スタジアム中のファンが立ち上がり拍手を送り、また両チーム選手が花道を作って別れの挨拶を交わした。そして奇しくも、ピッチ上でモドリッチに対して最後の挨拶を送ったのは――久保となった。
試合終了のホイッスルが鳴らされると、ソシエダイレブンは挨拶を交わしピッチを後にした。久保の表情には笑顔も見られ、また退任が決まっている指揮官イマノルと熱い抱擁を交わしている。その久保は、代理人の変更が発表されたこともあり、今後の移籍へ向けた動向に注目が高まっている。
「最後に好きになった言葉を言いたい」
そしてピッチ上では、改めてモドリッチとアンチェロッティのお別れのセレモニーが行われた。スタジアム上部のスクリーンには、指揮官として、また10番としてこのスタジアムで起こした”魔法の夜”と言われる奇跡のような名シーンの数々が流された。
ADVERTISEMENT
そしてモドリッチは、マイクを持ちピッチ中央へ進むと、会長やチームメイトなどへの感謝を告げた後に、こう別れの言葉を告げた。
「最後に好きになった言葉を言いたい。終わったからと言って泣かないで。起きたことに笑おう」
モドリッチと指揮官の胴上げが行われ、最後の集合写真撮影が行われた。涙ぐむ姿もあったモドリッチが笑顔で仲間のもとへ駆け寄る姿が美しいシーンだった。
アンチェロッティは、ブラジル代表就任が決まった。そしてモドリッチは、新監督となるシャビ・アロンソのもと、マドリーの一員として最後の公式戦となるクラブW杯への戦いが待ち受ける。

