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久保建英23歳vsモドリッチ39歳「吹っ飛ばし、抜き去った」後の敬意…“マドリー栄光の10番”涙と笑顔の別れ「好きになった言葉を」
posted2025/05/29 17:02

ラ・リーガ最終節で実現した久保建英vsモドリッチ。このマッチアップが見納めとなるのだろう
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中島大介Daisuke Nakashima
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Daisuke Nakashima
5月24日、久保建英が所属するレアル・ソシエダは、敵地サンティアゴ ・ベルナベウでレアル・マドリーと対戦した。ラ・リーガ2024-25最終節に臨む久保を撮影するため、スペインの首都マドリードを訪れた。とはいえ、スタジアムを埋める8万人近いファンの目的は、マドリーのルカ・モドリッチのプレーだったに違いない。
10番ユニ、クロアチア国旗、モドリッチへの花道
シーズン後の退団が発表され、この日がベルナベウでの最後のプレーとなる10番の姿を目に焼き付けるために多くの人が集まった。12-13シーズンにトッテナムからマドリーへとやってきたクロアチアの青年が、最初につけた背番号は19番だった。そして17-18シーズンに背番号10を託されると、8年に渡り世界的巨大クラブの10番を背負い続けた。
スタジアムへ続く通りにも、スタジアム内部でも10番を纏ったファンや、モドリッチの名前が入ったマフラーを持つファン、さらにはクロアチアの国旗をはためかすたくさんのファンが溢れていた。
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今シーズン徐々にプレー時間を減らしたモドリッチだったが、この日の先発が発表されると、先頭となりアップへ姿を現した。その際には大きな歓声が起こり、また多くのカメラがその姿を追った。この日ばかりは久保を含むソシエダの面々は、モドリッチの花道を彩る飾りだったか。
ソシエダの先発メンバーも、勝利を追求する意志を感じさせるものではなかった。マドリードを訪れたアウェイチームは、最終節を待たずに来季欧州カップ戦の出場権争いからは脱落。一方で1部残留は確定しており、前節のホーム最終戦後に、ファンへお別れの挨拶を済ませている。キャプテンのオヤルサバル、攻守の要でありシーズン後の移籍が決まっているスビメンディなどがベンチスタートとなった。
試合前に撮ったモドリッチと久保の印象的な表情
選手入場時には、モドリッチと同じく退任が決まっているアンチェロッティ監督へ向けてのコレオグラフィーが飾られ、特別な雰囲気のなか、両チームの選手が登場した。
ここで印象的だったのは――ピッチから数段地下にある、選手入場通路に控えるモドリッチが、自身の名を叫ぶスタジアムの様子を見上げる様子だった。
一方で、久保はこの日も先発リストに名を連ねた。