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「久保建英が子供ファンにユニホームを」日本代表招集前のホーム最終戦で監督と別れ…5季連続欧州カップ戦は「ソシエダでの奇跡的な時」だった

posted2025/05/23 17:50

 
「久保建英が子供ファンにユニホームを」日本代表招集前のホーム最終戦で監督と別れ…5季連続欧州カップ戦は「ソシエダでの奇跡的な時」だった<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

ホーム最終戦を戦った久保建英。日本代表6月シリーズにも招集された

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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Daisuke Nakashima

 PK奪取などで勝利に貢献したのち、セレモニーで笑顔を見せたりファンサービスをした一方で、決まればスーパーゴールの一撃を防がれて悔しがりながらも、おどけた表情もあった――。

 日本代表6月シリーズに招集された久保建英にとって、2024-25シーズン最後のホームゲームとなるレアル・ソシエダ対ジローナ戦を撮影するため、5月18日早朝の飛行機でスペイン北部バスク州のサンセバスチャンへと向かった。

移籍情報が飛び交う中…指揮官への〈ありがとう〉

 すでに来季欧州カップ戦の出場権獲得が絶たれたソシエダからは、マルティン・スビメンディを筆頭に複数選手の移籍情報が飛び交っている。

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 この日が、ファンの前でプレーする最後の機会と分かっている選手もいたはずで、ここ6試合で勝ち星から見放されている状況下、是が非でも勝利をファンに届けたかったはず。またソシエダからは、指揮官イマノル・アルグアシルのシーズン後の退任が発表されており、指揮官の有終の美を飾るためにも、勝利が渇望された試合だった。

 選手入場時には、バスク語で〈ありがとう〉を意味する〈Eskerrik Asko〉と書かれたメッセージが掲げられ、スタジアムは青く染められた。また選手集合写真撮影の際には、大きく指揮官が型取られた横断幕が掲げられ、スタジアム全体で勝利へと意思が統一されていった。

 そんな思いが通じたか――ソシエダはここ4試合で得点を奪えていなかったが――開始5分、パブロ・マリンがCKに頭で合わせて先制点奪取に成功した。スタジアムも喜びに満ち溢れたが、10分に同点ゴールを奪われてしまった。

右サイドだけでなく自由に…PK奪取

「また勝利できないのだろうか……」

 嫌な雰囲気がスタジアムを覆いかけていたが、この空気を一変させたのが久保だった。

 シーズンを通じて右サイドに大きく開いてのプレーが常で、センターでもプレーできる久保の特性を考えると、指揮官からの強い指示があったことが窺える。

 ただこの日、久保のプレーエリアは幅広いものだった。

【次ページ】 決定的シュートを外して悔しがりつつ…おどけた表情も

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