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「最愛の母を交通事故で亡くし…」韓国の生ける伝説・申ジエ(37歳)が“下り坂”でも賞金14億円に到達できた理由「日本永久シードまで“あと1勝”」 

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キム・ミョンウ

キム・ミョンウKim Myung Wook

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photograph byAtsushi Tomura/Getty Images

posted2025/05/15 06:00

「最愛の母を交通事故で亡くし…」韓国の生ける伝説・申ジエ(37歳)が“下り坂”でも賞金14億円に到達できた理由「日本永久シードまで“あと1勝”」<Number Web> photograph by Atsushi Tomura/Getty Images

国内女子ゴルフメジャー初戦「ワールドレディスサロンパスカップ」を制した申ジエ(37歳)。生涯獲得賞金は史上初の14億円に到達した

 申ジエは2018年にも同大会を制しているが、当時は茨城ゴルフ倶楽部・西コースで、今回は東コースを制覇。“東西両コース”を制覇した初めての選手になった。さらに37歳13日で大会最年長優勝記録を更新(大会が公式競技に昇格した2008年以降)。生涯獲得賞金額もツアー史上初の14億円に到達した。

 そんな“記録”についても、申ジエは意に介さない。特に国内ツアー通算29勝(厳密には31勝。2008年『ヨコハマタイヤPRGRレディス』は主催者推薦でJLPGAツアー登録なし。同年『ミズノクラシック』は米ツアー選手の資格で出場したためカウントされていない)となり、永久シードまで残り1勝と迫ったが、仮にそれを手にした優勝の瞬間でも「いつもと変わりない」ことを強調していた。

「最初の優勝のときは、30勝を狙うことが出来るなんて考えていなかったし、目の前の試合で優勝することだけ考えてきました。この優勝もその中の1勝に過ぎません」

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 プロゴルファーとして精一杯、頑張ってきた中での結果にすぎず、14億円という生涯獲得賞金についても、「みなさんのおかげでこんなにいい大会があるし、日本ツアーは環境がすごくいいので、この記録も生まれたと思います」と自分一人の力ではないことを改めて強調した。

【次ページ】 申ジエを支える亡き母の存在

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