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「まるでヒョードル…生命体として強い」RIZIN新王者シェイドゥラエフとは何者なのか? 62秒でクレベル粉砕「とんでもない奴が現れた」1年前の“予言” 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byRIZIN FF Susumu Nagao

posted2025/05/12 17:01

「まるでヒョードル…生命体として強い」RIZIN新王者シェイドゥラエフとは何者なのか? 62秒でクレベル粉砕「とんでもない奴が現れた」1年前の“予言”<Number Web> photograph by RIZIN FF Susumu Nagao

RIZIN初出場から1年足らずでフェザー級王者となったラジャブアリ・シェイドゥラエフ。衝撃の62秒TKOでクレベル・コイケを粉砕した

ヒョードルと重なり合う「生命体としての強さ」

 階級こそ違うが、シェイドゥラエフの衝撃は全盛時のエメリヤーエンコ・ヒョードルのそれと重なり合う。実際、シェイドゥラエフはPRIDEで活躍した“人類最強の男”の試合映像を見て大きな影響を受けたという。技術云々の以前に生命体としての強さを感じさせるのも、ヒョードルと共通している点だ。

 かつてヒョードルの故郷スタールイ・オスコルで何度も取材した筆者としては、“狩りに行く眼”を持っていることもふたりの共通項のように感じられる。

 以前、ヒョードルの家で昼食をご馳走になったとき、「今度スタールイ・オスコルに来るときには、一緒に狩りに行きましょう」と誘われた。その口調から社交辞令ではないことはすぐわかったが、日本で狩りに行った経験などないので少々戸惑った。

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 シェイドゥラエフも祖先は狩りをしており、彼もまた鷹匠という別の顔を持つ。獲物を見つけ、ライフル銃や弓矢で仕留める。あるいは猛禽類を使って獲物を捉える。ヒョードルやシェイドゥラエフは“狩りの感覚”をリング上でも活かしているのだろうか。

 RIZINで4連勝中のカルシャガ・ダウトベックはカザフスタン出身だ。母国の伝統的な帽子“カルパック”が似合うシェイドゥラエフは、キルギスを含む中央アジア勢の躍進を次のように分析した。

「大自然の中で高地トレーニングをやっているからでしょう。食生活もノンケミカルで、添加物ゼロ。オーガニックな料理を口にして、新鮮な空気を吸っているからということもある」

 キルギスにはミルクを発酵させた“チャラップ”というヨーグルトの一種がある。現地では定番の乳酸発酵飲料で、酸味の強さが特徴的だ。

 その酸っぱさはあとを引く。我々の常識では計り知れないシェイドゥラエフの強さの余韻のように。

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