スターダム電撃退団の岩谷麻優「未練がないと言ったらウソになります」“新しい旅”を選んだ本当の理由は…アメリカでも注目「イワタニがやってくる」 

　もし、10回目という区切りの防衛に岩谷が成功していたらどうしたのか？　スターダムのリングに残って11回目の防衛を目指したのだろうか？　それとも、IWGP女子のベルトをリングに置いてスターダムを去って行ったのだろうか？

　そんな素朴な疑問は残るが、岩谷が新しい冒険を強く求めていたのは事実だ。マンネリを嫌うという感覚とは少し違うかもしれないが、岩谷自身が変化を求めていたように感じられた。

ベルトを巻いた朱里を見つめる岩谷麻優　©Essei Hara

「すぐに試合がしたい」気になる今後は…

　脳裏に「退団」の文字が浮かんでから実際に退団するまでは時間がかかった。でも、それは岩谷にとって「ちょうどいい時間」でもあったように思えた。

ADVERTISEMENT

　大好きなコーラを飲みながら、嬉しそうに笑みを浮かべる岩谷は何を夢見ているのだろうか。

「イオさん（紫雷イオ＝現イヨ・スカイ／WWE女子世界王者）すごいですよね。アメリカで試合したいです」と岩谷は言う。

岩谷麻優の去就はアメリカでも注目を集めている　©Essei Hara

　スターダム退団のニュースに反応したアメリカでは「岩谷がやってくる」というムードが出来上がっている。「カイリ・セインやイヨ・スカイと好勝負を繰り広げたキャリア14年のアイコン」はアメリカでも注目されている。

　岩谷の現在地とそう遠くないところにアメリカがあるのは間違いない。とはいえ「すぐに試合がしたい」という岩谷はほとんど休息を取らずに、まず日本のリングに上がるだろう。

　横浜アリーナのリングで、岩谷はファンにマイクで語り掛けようとしたが、思いのすべてを話すことはできなかった。だが「新たな道を探します」というフレーズに、ファンは十分な予感を抱くことができた。岩谷麻優はどこへ行くのか――ファンが抱く予感はおおむね、間違ってはいないだろう。