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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「(阿部監督にとって)戸郷が“一番の誤算”やろな…」巨人OB村田真一が語る、戸郷翔征の10失点炎上「普通は交代。あれは“戸郷と心中”や」
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谷川良介Ryosuke Tanikawa
photograph bySankei Shimbun
posted2025/05/01 11:05
戸郷翔征と話し込む巨人・阿部慎之助監督。写真は開幕前の3月25日
「あるある。完封した日とかは『今日ないね、ミーティング。おやすみ』だけ。でも、勝った日でもパスボールがあったら、『捕れたよ。明日練習、早く来てな』って言ってた。試合後は絶対に顔合わせてた。全部、藤田さんに言われてたことなんや。だから『俺の声じゃなく、藤田元司が言ってると思って聞け』って慎之助には言ってた。巨人のキャッチャーって、そういうもんやから」
――阿部さんはどんな表情でした?
「昔から堂々としてたからな。しっかり聞いてたと思うよ」
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――反省会は翌年も続いたんですか?
「やってない。その2002年に日本一になったから。ここからはお前の対応力や、もう遠くから見とくよ、って。でも『キャッチャーは辞めるまで勉強なんや。ピッチャーにどれぐらい寄り添えるかや』とはよく言ってたな。慎之助は根が優しいやつやから」
――優しい?
「そう。周囲に気を遣いながらやってたと思うよ。工藤(公康)とかベテランの投手も多かったから」
――でも、世間には“怖い”印象を持つ人も多いかもしれません。たとえば、2012年の“澤村ポカリ”事件とか。
「なんで怖いん? 勝ちたいからやん。“怖い”じゃなくて“厳しい”やろ。あれは澤村(拓一)のサインミス。エラーとミスは違う。ミスは怠慢。それを慎之助は許せんかったんや。俺も(叩いたことは)まだまだ幼いなとは思ったけど、我慢できなかったんやろ。それくらい熱いんよ。勝負に厳しい。あいつは、勝ちたいだけや」
――その後、阿部さんは二軍監督、ヘッドコーチを経て、原監督の後を継ぎました。指導者・阿部慎之助をどう見ていますか?
「変わらんね、熱いまんま。言いたいことはちゃんと言う。メディアにも出てるし、いいと思うよ。リーダー論に絶対はないから」
「戸郷が“一番の想定外”ちゃうかな」
――二軍監督時代は選手に罰走を科したこともありました。



