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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
中日「4年連続最下位」危機から脱出なるか…25歳ブライト健太に感じる主砲の気配 思い出される高校時代の“片足ケンケン事件”ってナンだ?
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJIJI PRESS
posted2025/04/18 06:01
打撃不振に悩む中日で期待が集まる4年目のブライト健太。高校時代にはまさかのエピソードが…?
巨人戦の3戦目は、カリブの怪腕・ライデル・マルティネス投手の緩急に手玉にとられて三振を喫したが、次のヤクルト戦の走者2塁での代打右前安打をはさんで、前編の左翼弾につながってくるわけだ。
ここ(4月15日現在)まで、11試合に出場して打率.308の5四球。
4月9日の広島戦では巨漢サウスポー、テイラー・ハーン投手の147キロの速球を打ち、バンテリンドーム右中間最深部にあと一歩で2号弾となるフェンス直撃二塁打。チームに勝利を呼び込む「仕事」も果たした。ちなみに「5四球」という記録は、すでに昨季(35試合46打数)と同じだ。サンプル数がまだ少ないじゃないか……と言われるかもしれないが、顕著な変化は、むしろ少ない「症例」の場合ほど、より明確な傾向として表れる。
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何が、誰が、ブライト健太選手に、そうした変化をもたらしたのかはわからない。だが、投球のタイミングを合わせるという打者の最も大切な「仕事」に目覚め始めたブライト選手。
あとは今の感覚を大切に、場数を踏ませてもらいながら成功体験を重ねて「技術」を高めていくことだ。
上武大グラウンドで見た大学時代の姿
「あっ!」と思い出したことが2つあった。
ブライト選手の学生当時、取材で何度か伺った上武大グラウンド。
打てば走る、走れば守る……いっときもボンヤリすることなく、まあよく練習するものだと頭が下がるほどの練習の虫だったブライト選手。そのバッティング練習だ。
何人かで、5本とか10本とかごとに交代しながら行う練習。そこで特に最初のひと振り、ふた振りで見事なジャストミート能力を見せていた。そういえば、大学選手権で隅田投手から神宮の左中間中段へ放り込んだ前編冒頭の一発も確か、自慢のクロスファイアーで3球ふところを突かれた、その3つ目をひと振りで捉えたものだった。

