プロ野球PRESSBACK NUMBER
「あんな打球見たことない」事故死のトニ・ブランコ…中日時代の仲間が振り返る「伝説の一撃」とナイスガイの素顔「ある日トウモロコシの種を持ってきて…」
posted2025/04/17 11:02

中日などで活躍したトニ・ブランコ。悲劇的な事故の犠牲になった
text by

渋谷真Makoto Shibutani
photograph by
JIJI PRESS
あのトニ・ブランコが亡くなった? 病気ではなく事故だと? しかもナイトクラブの天井が崩落した? にわかには信じがたいニュースだった。フェイクニュースであってくれと誰もが祈ったが、事実だと判明した。200人を超す犠牲者が出る、大規模な事故だった。
日本時間4月9日(現地時間8日)、悲報が野球界を駆け巡った。中日、DeNA、オリックスで計8年間、通算181本塁打を放った右のスラッガー。うち最も多い111本を打ったのが中日での4年間だった。折しも事故のニュースが伝わった9日は、バンテリンドームでの広島戦。当時を知る中日関係者が仕事で多く集まっており、さながら通夜会場のように故人を偲んだ。
チームメートを自宅に招待して…
“いいやつエピソード”には事欠かない男だった。山井大介投手コーチは、ドミニカ共和国のウインターリーグに派遣されたとき、自宅に招かれバーベキューでもてなしてくれた思い出を披露した。一塁と4番でポジションがかぶった山崎武司さんは「かけがえのないライバルだった。あれだけ飛ばした打者は、俺の中ではカブレラかブランコ」と死を悼んだ。