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辿り着いたのはシンプルな思考。藤浪晋太郎の揺らがぬ覚悟。
posted2025/04/12 09:00

マイナー行きの通告は開幕5日前の3/22。5試合連続無失点とアピール中だった
text by

四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
KYODO
渡米3年目を迎えた藤浪晋太郎の背中には、確かな覚悟がにじみ出ていた。マリナーズとマイナー契約を結んだ今季、招待選手としてキャンプに参加した。だが、3月22日、前日まで5試合連続無失点と調子を上げてきたにもかかわらず、マイナー行きを通告された。
その一方で、藤浪は自らの立ち位置を、正確に把握していた。当初からマリナーズのメジャー40人枠は埋まっており、たとえオープン戦で好投を続けても、契約上、昇格の可能性は限られていた。それでも、キャンプ終盤まで登板機会を与えられ、首脳陣と緊密なコミュニケーションを取り続けてきた意味合いは少なくなかった。
