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「今回のW杯予選で最悪の出来。タナカとタカイは6.5点だが…」ブラジル人記者が辛口で日本代表サウジ戦評価&採点「クボはさすがに疲れが」
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/03/29 17:10

スコアレスドローに終わったサウジアラビア戦。久保建英らの奮闘を認めながらブラジル人記者は辛口の評価だった
――その直後、サウジアラビアは左からのクロスにファーサイドの右SB、2番のアルシャンキティが頭で合わせたが、大きく外れた。結果として、これがサウジアラビアの最初で最後のシュートだった。
「サウジアラビアの枠内シュートはゼロ。ザイオンは頭や足でボールをクリアしたが、手を使うことはほとんどなかった。GKなのに手を使う必要がない、という珍しい試合だった(笑)。その後は膠着して、非常にもどかしい展開になってしまった」
――後半、サウジアラビアは右サイドバックを交代させた。
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「前半、2番は中村との1対1でほとんど負けていた。だが代わりに入った12番(マジュラシ)の守備力が非常に高く、後半、中村はほぼ完全に抑えられてしまった」
クボはさすがに疲れが見えたね
――後半17分、森保監督は久保と菅原を下げて伊東純也と堂安律を入れました。この交代をどう見ますか?
「久保には、さすがに疲れが見えたね。菅原は、守備の仕事が少なかったから盛んに攻め上がってクロスを入れたけれど、決定機には結びつかなかった。森保監督は伊東にスピードを生かした縦への突破を、堂安にキープ力と決定力を期待したのだと思う。ただ、中村が封じ込まれていたから、菅原を残して伊東を左WBに入れても良かったんじゃないかな。伊東は、左サイドでもプレーしたことがあるからね」
――後半37分、鎌田からのスルーパスを受けた伊東が左足でシュートを放ったが、相手GKが辛うじて指先で弾いた。
「このプレーが、後半唯一の決定機だったね」
収穫はタカイとタナカ。それくらいかな
――結局、日本は圧倒的に攻めながら、ゴールが遠かった。
「フラストレーションが残る試合だったね。試合の流れは(10月の第4節)オーストラリア戦と似ていた。でも、あの時はCB谷口彰悟のオウンゴールで先制されたけれど、オーストラリア守備陣を完全に崩して点を取った。試合内容は、その時よりさらに貧弱だった」
――後半途中から4バックへ変える選択肢もあったのでは?