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元横綱稀勢の里 二所ノ関親方が徹底解説
第28回:北の富士「共通点は“脚長”と“左四つ”」
posted2025/04/02 09:00

text by

二所ノ関寛Hiroshi Nishonoseki
photograph by
Takayuki Ino(Illustariton)
昨年の11月12日、第52代横綱・北の富士勝昭さんが天寿を全うされました。
生前、解説者だった北の富士さんから、私は現役力士として叱咤激励を頂戴していました。久方ぶりの日本人横綱誕生を期待していただいたのに、あと一歩及ばない状態が続いてしまったことで、私に対してフラストレーションも溜まっていたことと思います。
そんな北の富士さんに、私は大関時代に一度だけ食事に連れて行っていただいたことがあります。場所は、北の富士さんが「俺の庭みたいなもんだ」とおっしゃっていた神楽坂でした。その席でいちばん記憶に残っているのは、「お前は遊びが足りない」と言われたことです。「ただ、それだけだよ。相撲の話はそれだけだ」と、その後は普通の居酒屋談議に突入しました。
