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「マスコミに頭にきてるんです」“変わるセンバツ”で明徳義塾・馬淵史郎監督の変わらない発言力…試合後の怒りのワケは?「牽制なんかしてない」
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byJIJI PRESS
posted2025/03/19 17:23
春夏合わせて39回目の甲子園となった明徳義塾の馬淵史郎監督。歴代監督として最多の出場回数を誇り、数々の伝説を作り出してきた
これまでの一連の発言は、相手エースの将来を案じてのことだったと真意を明かした馬淵が、それこそ報道陣を牽制するようにもう一度、感情をぶつけた。
「だからね、マスコミに頭にきてるんです」
他の報道でも「切り取り」と度々、世間から批判を受けるように、取材対象者に齟齬を指摘されれば襟を正さなければならない。
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ただ現金ではあるが、このように誤解を恐れずに自身の考えを言ってのけ、かといって周囲を遠ざけることのない馬淵だからこそ人が集まる。その言動に関心を持つのである。
今や馬淵は、高校野球界における“ご意見番”と称していい存在だ。
昨春から飛ばないバットが導入され、「これから絶対に野球が面白くなる」と豪語していた。議論される高校野球の7イニング制導入の可能性についても、「DH制のほうが先だと思います」と持論をしっかりと述べている。
変わる高校野球…でも「変わらない」馬淵
火種を作るまいと、遠慮しながら当り障りのないコメントを残す指導者や識者が多いなか、馬淵はいつだって己の信念を貫く。その姿は報道陣に限らず、同じ意見を持つ者たちにとっては胸のすく想いなのだ。
だから、試合後には勝とうが負けようが大勢の記者が馬淵を囲む。
今日はどんな話が聞けるのだろうか?
我々は、甲子園に最も出ている監督の「発言力」に、夢中なのである。

