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「どうやって生き延びるか…もがいているだけです」ダルビッシュ有が明かす“38歳の身体”の本音…大谷翔平を支えた“あの捕手”とも初バッテリー
posted2025/03/12 17:48

今年39歳を迎えるダルビッシュ有。スプリングトレーニングでは、新たな試行錯誤を行った
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笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
あくなき探究心。日本人メジャー最年長選手・ダルビシュ有の取り組みにはいつもながらに頭が下がる。この春もダルビッシュはやはりダルビッシュ。現状に甘んじない姿勢には感銘さえ覚える。
3月8日(日本時間9日)、ガーディアンズ戦でオープン戦初先発した彼は2回2/3を4安打、2四死球、3三振、2失点。最速は早くも95.6マイル(約154キロ)をマークし、調整は順調そのものだった。だが、メジャー14年目の大ベテランにしても“最初はいろいろある”と笑わせた。
「今日は試合に集中し過ぎて、試合前に食べるはずのご飯を食べ忘れたりとか、そういうのが出てくるんです、スプリングトレーニングは。そういうのをちゃんと整理していくというか、そういう意味でも1個1個クリアにしていきたいなと思います」
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今や報道陣へのリップサービスも日本人メジャー・ナンバーワン。隠れたエピソードまで披露してくれるサービス精神には感謝するばかりだが、野球への取り組み、技術の話にしても然り。懇切丁寧に我々に解説してくれる。だから取材が面白い。それがダルビッシュ有だ。
大谷翔平を支えた“あの捕手”と初バッテリー
オープン戦初登板の3日前、ダルビッシュはブルペンで熱のこもった投球練習を見せていた。受ける捕手は同い年であるばかりか、誕生日まで8月16日で一緒のマーティン・マルドナド。エンゼルス時代の大谷翔平の女房役として日本では知られるが、メジャー15年目のベテラン捕手はパドレスが7球団目と経験も実に豊富。その彼とオープン戦初登板で初バッテリーを組むダルビッシュはブルペン投球で球種を1球1球、自分の言葉で伝え、終了後には念入りな意見交換も行った。その際のブルペン投球でダルビッシュの発した言葉で気になったワードがあった。「パワー・スライダー」だ。