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「今年、正捕手の座を獲るつもりで」大阪桐蔭“最後の日本一を知る男”2022年ドラ1捕手・DeNA松尾汐恩の決意 西谷浩一監督からは「頑張れよ、とだけ…」
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沢井史Fumi Sawai
photograph by(L)Fumi Sawai、(R)Nanae Suzuki
posted2025/03/10 06:01
大阪桐蔭高時代は春のセンバツで全国制覇…2022年のドラフト1位・横浜DeNAの松尾汐恩は3年目を迎えた今季、捲土重来を期している
恩師の西谷監督にも挨拶したが、特に何を言われることもなく現状を報告したという。
「来年も頑張れよ、とだけ。自分だけ何かを言われたとか、そういうことも全くなかったですね」
何も言わなくても松尾なら分かっている。西谷監督は、そう思い敢えて何も言わずに教え子を見送ったのだろう。甲子園で5本の本塁打を放った、当時の不動の「扇の要」に対して、言葉の少なさこそがかえって信頼の裏返しでもあった。
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「プロは毎日試合が続くので、1年間戦い抜けるように体力面も含めて考えていかないといけない。自己管理も大事ですし、やることは多いですが、そのためのキャンプと思ってやっていきたいです。今まで2年間、経験させてもらったことをどう出していくのか、それはこれからの自分次第になっていくと思います」
「今年、正捕手の座を獲るつもりで」
チームは昨季、26年ぶりの日本一に輝き、一層士気が高まっている。その中で、どう存在感を示していくか。20歳の若武者は意気軒高だ。
「次世代がどうとかではなく、今年、正捕手の座を獲るつもりでやっています。日本一に自分が貢献したいという思いはすごく強くなりましたし、毎日今年が勝負、という気持ちでいます」
“大阪桐蔭戦士”は、まだまだ輝きを失っていない。
松尾の目は今、希望と野望に満ちあふれている。


