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石川祐希よりも高橋藍よりも早い「高3でイタリア留学」なぜ実現? 男子バレー期待の18歳川野琢磨は何を得たのか「お手本がいっぱいあった」 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byTakahisa Hirano

posted2025/03/08 11:03

石川祐希よりも高橋藍よりも早い「高3でイタリア留学」なぜ実現? 男子バレー期待の18歳川野琢磨は何を得たのか「お手本がいっぱいあった」<Number Web> photograph by Takahisa Hirano

イタリア・セリエA、ピアチェンツァに留学した川野琢磨(18歳)。すでに東京グレートベアーズの強化指定選手に登録され、春には早稲田大学へ進学する

 1月23日、東京グレートベアーズは川野が日本バレーボール協会(JVA)の強化育成選手に選出されたことを受けて海外派遣を発表。昨年、専修大2年だった甲斐優斗がフランスのパリ・バレーへ派遣されたのと同様に、強化を目的に欧州への短期留学が正式に決まった。

 川野自身も「(大学に入学前の)3月までは本格的にグレベアの練習に参加して、試合にも同行すると思っていた」と明かすように、有望株の状況は目まぐるしく変わっている。

 いきなり世界最高峰のセリエAの舞台に足を踏み入れることはもちろん、一人暮らしは人生で初めて。イタリア語どころか英語もままならず、クレジットカードもつくれないため所有するのは現金のみ。現地での自宅アパートにある電子レンジすら使用できず「日本から大量に持ってきたレトルトごはんを湯煎して食べている」と笑うように、不慣れな生活に戸惑うことは多い。

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 それでも、まだ何者でもない自分を受け入れてくれるチームメイトの優しさに救われている、と18歳は笑う。

「最初の練習はウェイト(トレーニング)だったんですけど、体育館に行って、マイネームイズ、タクマ・カワノ、と名乗ったら、みんなが笑顔で“チャオ!”って受け入れて自己紹介してくれた。朝ご飯は自分で用意していますけど、練習がある日の昼や夜はチームメイトがアパートから体育館まで車で送ってくれて、一緒にスポンサーのレストランへ行く。食事の時もパンや炭酸水を指さして『これはイタリア語で何て言う?』と教えてくれたり、逆に『チャオは日本語だとどういう意味?』と聞かれる。(ジャンルカ・)ガラッシ選手は『一緒にプレーした仲間だ』と高橋藍選手との写真を見せてくれたり。すごく親切な人たちばかりで毎日楽しいです」

【次ページ】 梅川監督も背中押す「彼は頭がいいので」

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