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「正直に言うと、夢がないなと」春高3連覇の駿台学園をなぜ辞めた? 高校バレー名将が大阪ブルテオン“移籍”へ…決断の背景に“部活が抱える課題”も
posted2025/03/08 11:02

2014年から駿台学園高を強豪校に育て上げてきた梅川大介監督。後継者に託し、新たな挑戦に舵を切った
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Yohei Osada/AFLO SPORT
春高バレー3連覇に導いた東京・駿台学園高校の知将が大きな決断を下した。SVリーグ、日本バレー界の未来を見据える“移籍”にはどんな思いがあるのか。【NumberWebインタビュー全2回の前編/後編では春高バレーMVPに輝いた川野琢磨(駿台学園高校・3年)のイタリア留学に密着している。】
ビッグな移籍話が飛び込んできた。と言っても、世界の頂点に立つクラブや日本代表でプレーする選手の話ではない。
移籍するのは、今年1月に開催された春高バレーで大会3連覇を成し遂げた駿台学園を率いる梅川大介監督、43歳だ。
かつて女子のNECレッドロケッツでアナリスト兼コーチを務めた後、2014年から駿台学園高校・男子バレーボール部の監督を務めた。3連覇を含む4度の春高バレー制覇を達成した名将が新天地に選んだのは、SVリーグで現在首位を走る大阪ブルテオンの下部組織だった。
「正直に言うと、夢がない」
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同じ“育成”というフィールドとはいえ、驚きの“移籍”であることは変わりない。「ブルテオンの熱意を感じた」と話す梅川監督の言葉は部活動への課題も突きつけるものだった。
「正直に言うと、夢がないな、と。高校で指導している先生方は本当に熱心で、尊敬できる人たちばかりですけど、でもその指導や情熱に見合うものがあるわけではない。そもそも見返りを求めるものではないですが、私が先陣を切っていくことで、これからは違う道ができるのではないかとはずっと思っていました」