- #1
- #2
オリンピックPRESSBACK NUMBER
「この人と結婚するんだろうな…」レスリング登坂絵莉が語る“コワモテ”7歳上の格闘家との結婚秘話「妊娠中もトレーニング」目指した競技復帰
text by

石井宏美Hiromi Ishii
photograph byWataru Sato
posted2025/03/06 11:01
子育てに奮闘しながら様々な活動を積極的に行っている元レスリング金メダリストの登坂絵莉さん
「いやいや期もすごく大変なのかなと思っていたんですが、“かわいい”の方が上回っていますね。レスリングと違って子育ては逆算ができないから、思い通りにいかなかったり、予期せぬタイミングで予期せぬことが起きることがあったりしますけど、だからこそ面白いのかもしれません」
「遺伝ですかね。とにかくパワフル」
両親のDNAを受け継ぐ長男はもうすぐ、レスリングを始めるという。
「首がめちゃくちゃ強いですよ。ブリッジとか、三点倒立もやっていますし、保育園の先生にも『こんな力のある子は初めて見ました』と驚かれました(笑)。遺伝ですかね。とにかくパワフルです。ただ、競技としてレスリングをやってほしいというよりは、体作りの一環という意味合いの方が今の時点では強いかな。レスリングは続けて欲しいですけど、最終的には息子がやりたいことをやってくれたらいいですね」
ADVERTISEMENT
子育てに奮闘しながらも、登坂さん自身も現状に満足することなく、積極的に新たな挑戦をしている。
引退翌年から一般社団法人スマイルコンパスを立ち上げ、元女子サッカー選手の岩渕真奈さんやテニスの穂積絵莉選手とともに子どもたちにスポーツの楽しさを伝える活動をしている。
「レスリングをもっと身近に」
「勝負の世界で生きてきましたが、勝ち負けだけではなく、できないことができるようになるとか、仲間と一緒に頑張るとか、そういうことを楽しめていたからこそ、スポーツを長く続けられたと思うんです。子どもたちには、勝ち負けだけではない価値観を伝えていきたいです。立ち上げて1年半になりますが、細く長く、活動を続けていきたいと思っています」
レスリングから学んだものが大きいと実感しているからこそ、登坂さんは普及や競技力向上にも力を注いでいきたいと考えている。
「レスリングは戦うイメージが強いかもしれませんが、ウォーミングアップはマット運動からミニゲームなどの全身運動で、身体作りとしてもすごくいいんです。これから沢山の人にレスリングの魅力を知っていただきたいですし、面白さも伝えていきたい。より身近に感じてもらえるような機会を増やしていきたいですね」
子どもの運動能力向上にも
レスリングは踏み込みにくいイメージがあるが、「マットさえあればどこでもできます」。対人競技で予期せぬ動きもあるなかで対応するため、運動能力の向上にも大いに役立つ。
「もっと身近にレスリングを感じてもらいたいですね」
登坂さんのレスリング愛は冷めることはない。(つづく)


