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「こんな身体で妊娠できるのか」悩んだ無月経…レスリング登坂絵莉が女子選手に伝えたい大切なこと「リオ五輪金…1年半止まっていた生理が」の壮絶ストレス
posted2025/03/06 11:02
女性アスリートにまつわる問題について、率直に語ってくれたレスリング金メダリストの登坂絵莉さん
text by

石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Wataru Sato
現役中の2020年に結婚し、翌年に長男を出産した登坂さん。実は妊娠が分かった時は、湧き上がる喜びの反面、驚きの思いが大きかったのだという。
まさかこんなに早く子どもを授かることができるなんて――。
悩まされ続けた無月経
「1年半無月経でしたし、再開した後も、半年間無月経でその後再開してまた止まって……ということを何度か繰り返していたので、本当に子どもを産めるのか不安でした。もし妊活するにしてもきっと苦労するだろうなとずっと思っていたので……」
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周囲には不妊治療を経験した知り合いが多かった。身体的にも精神的にも負担が大きいため、苦しいエピソードもたくさん見聞きしていた。「もし妊娠できなければ不妊治療に進んでいかなければいけない」。そう覚悟もしていたと言う。
「立っていられないくらい」の生理痛
身を削るような激しいトレーニングや減量の影響で、生理不順や月経が止まってしまう女性アスリートの問題は今も根強くある。
「痛み止めを飲まないと立っていられないくらい生理痛が重い方でしたね」
現役時代の登坂さんも、そんな悩みを抱える一人だった。
実は金メダルに輝いたリオ五輪前は1年半もの間、無月経だったと明かす。
「私の周りには生理が遅れるとか、生理が来ていない、という選手がいなかったんです。だからこそすごく敏感になっていて。もちろん病院で診ていただきました。でも、血液検査しても特に問題は見つからずいたって正常。原因はおそらく心理面からくる影響だろうということでした」
過酷な減量期間
階級別競技のレスリングでは厳格な体重管理が求められる。減量期間は脂質を削った食事を摂り、数日前から水を抜くなど、出場する試合に合わせて調整する。一般的に急激な減量は身体への負担も大きい。場合によっては、拒食症や貧血、月経の異常といったさまざまな弊害を誘発する可能性もある。


