- #1
- #2
オリンピックPRESSBACK NUMBER
「この人と結婚するんだろうな…」レスリング登坂絵莉が語る“コワモテ”7歳上の格闘家との結婚秘話「妊娠中もトレーニング」目指した競技復帰
text by

石井宏美Hiromi Ishii
photograph byWataru Sato
posted2025/03/06 11:01
子育てに奮闘しながら様々な活動を積極的に行っている元レスリング金メダリストの登坂絵莉さん
「この人と結婚するんだろうな」
リオ五輪の後、登坂さんは長年痛みに悩まされてきた左足の手術をしたが、想像以上に回復が遅れ、さらに左膝や左足首靭帯を損傷。痛みのため、自分のレスリングを出せず、東京五輪の選考からも外れ、精神的にも苦しい時期を過ごした。
倉本さんはそんな時期に寄り添い、支えてくれた。登坂さんのなかでいつの間にか、「なんとなくこの人と結婚するんだろうな」とかけがえのない存在になっていた。
20年8月に結婚して4年半が経つが、恋人時代も今も「ポジティブな思考に助けられている」と夫に感謝する。
"真逆"な性格に救われて…
ADVERTISEMENT
「私たち夫婦の性格って真逆なんですよ。私は結構ネガティブなほうで(苦笑)。例えば仕事に行って帰ってきたときに、“絶対ダメだったな”と落ち込んだりするんです。そこで主人は“絶対ダメじゃないよ!”とか“何が悪かったの? むしろ100点でしょ!”みたいな感じで元気づけてくれるんです。
謎の自信を持っているというか、楽観的というか(笑)。たとえダメだったとしても次があるよみたいな感じで。物事に対してそういうスタンスで考える人なのですごく救われていますね」
スキンヘッドとヒゲ姿で少しコワモテの夫だが、「見た目とのギャップで生きてるのかな(笑)」というくらい「とにかく優しい」という。
見た目は”コワモテ”でも...
「7つ年齢が離れていることもあるかもしれませんね。子どもの面倒も本当によく見てくれますし、私が泊まりの仕事があったり、夜遅くなってしまうこともあるんですが、そういう時も食事の準備をしてくれたり子どもをお風呂に入れてくれて寝かしつけてくれるんです」
登坂さんが幸せを感じるのは自宅に帰ったときだ。
レスリングは個人競技ゆえに、「みんなと一緒にいても、結局戦うときは一人。家に帰ったときも競技のことをずっと考えたりしていましたね」と孤独を感じていた。
でも今は夫がいて、そしてかわいい息子がいる。
「すごくほっとしますね、家に帰ると。心が落ち着きます。ああ、結婚してよかったなと思う瞬間の一つです」
計画していた「復帰プラン」
妻として、母としての喜びを心から感じている登坂さんだが、一方で出産前からアスリートとして競技を続けていきたいという気持ちも強かった。実は、夫とともに競技に復帰するプランを視野に入れていた。



