阿部慎之助監督が呼んだ“リーグ連覇の切り札”…作戦戦略コーチが明かす“新生・巨人打線のポイント”「結果として見逃し三振OK」の意味とは 

最初から“見逃す勇気”も必要

「そうなんですよ。23年の阪神の打席内容を見てみると、フルカウントからど真ん中の球を平気で見逃しているケースも非常に多かった。明らかに最初から見逃す意識だったように見える。全三振に対する、見逃しの三振率が前年に比べて上がっているというデータもあります。私が前回、ジャイアンツにお世話になった1年目も、まさしくその状況はあったんですよ。例えばフォークボールです。ストライクからボールになる球を待つには、最初からちょっと打つ気なく見逃す勇気も必要です。選球ありきの待機が必要になってくるというのはありますね」

――今年はその辺の意識改革を打線に求めていくことになる？

「そういう意識をさせていくことが必要だということですね」

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――それが橋上コーチの一つの仕事になってくるということですね。

「そうです。最初からストライクを投げてくる気のないバッテリーに対して、だったらバッターの方も最初から見逃してもいいんじゃないか。その意識があってもいいと思うんです。結局、投手は振ってくるだろうという心理を突いて、ボール球を投げてくるわけですから。それを振らないでいれば、そのうち3ボール2ストライクでもゾーン内での勝負が多くなってくる。そうなれば今度はまた違った切り口で勝負できるかなと思います」

――それが結局、四球数を増やして出塁率の高さにつながり、得点効率を上げていくことになる？

「そう思います。元々は巨人の打線はチーム打率が低いわけではないので、ちょっとした心の持ちようとか考え方次第だと思います。そのシチュエーション、シチュエーションで、ちゃんと腹をくくれるか、割り切れるか。それができれば得点圏に走者を置いているときでも、そうじゃないときと同じような打撃は十分できると思うんですよね」

――そのプレッシャーをベンチが背負ってあげる。

「はい」

――それが橋上コーチの役目ですね？

「もちろんそうです。もちろん何かあれば私が監督から怒られても仕方ない。そこの責任は俺が持つみたいな感じでやります」

――前回もそんな感じでやられていましたよね。

「そうじゃなかったら選手もなかなか腹を括れませんから！」

監督と選手の距離感が近くなった

――最後に今回、11年ぶりに巨人に戻ってこられて、チームが変わったなとか、良くなったなとか思う部分はありますか？

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