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猛牛のささやきBACK NUMBER
「あれ予言だったんかー!」オリックス・小田裕也がいま明かす「まんまとやられた」引退セレモニーの舞台裏「“僕の大好きな西野”は咄嗟に…」
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byJIJI PRESS
posted2025/02/10 11:04
今季から育成コーチに就任したオリックス・小田裕也
小田の引退試合となった9月24日は、西武の今井達也の前にオリックス打線は6回2アウトまでノーヒットに抑え込まれていた。そこで打席に向かう西野は、出塁したら代走で小田が出ると伝えられていた。
「僕も西野が打席に立つ前から(出塁したら)『行くよ』と言われていた。そのいろいろを踏まえて打ってくれた。しかもそれまでノーノーでしたからね。その中で打って、彼のホッとした顔が印象的でした。すごいっすよね。やっぱり頼りになるなと思いました。皆さんがいい場面を用意してくれて、最後に西野とああやって終われたのは本当によかったです」
「僕の大好きな西野」
試合後、中嶋監督にムチャ振りされた引退スピーチで、小田は言った。
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「10年間という、長いようで短かった年月ですけど、本当にたくさんのファンの人に恵まれ、ライバルたちにも恵まれ……、僕の大好きな西野に出会い、本当に幸せなプロ野球人生でした」
球場から大きな拍手が湧き上がった。
入団同期から「俺らは?」
改めてその「僕の大好きな西野」について聞くと、「よく出たな、と思いますね」と笑った。
「まあ西野の名前だけを出したから、(高卒入団で同期だった)宗(佑磨)と佐野(皓大)には、『え? 俺らは?』みたいな感じで言われましたけど(苦笑)。なんか、出ちゃいましたね。咄嗟だったから余計出ちゃったのかな。前もって考えていたら、出さないかもしれないし……。コーチになったら言ってはいけないですけど、やっぱり特別は特別、なんですかね」
これからはコーチとして、相棒を見守り、支えていく。(後編につづく)

