ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
電撃トレードも「驚きはなかった」ホークス→DeNAのクールな男・三森大貴がもたらす“常勝のDNA”「勝利に貪欲にプレーするのが当たり前、ですから」
posted2025/02/10 11:03

昨シーズンは25試合出場にとどまり、打率.288、1本塁打、2盗塁。しかし今季初実戦の紅白戦では早速躍動を見せた
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Sankei Shimbun
今シーズンから横浜DeNAベイスターズでプレーをする三森大貴に、「自分の性格を分析してみると?」と質問すると、落ち着いた口調で次のように言うのだ。
「自分ってものを冷静に見ているかなとは思います」
己のことを俯瞰できるというのは、アスリートとしては大切な気質だ。
ADVERTISEMENT
「まあ、わちゃわちゃしないわけでもないんですけど、冷静だとは思います」
そう言うと三森は、クールな笑みを浮かべた。
驚きのトレード……でもなかった
昨年の12月23日、福岡ソフトバンクホークスの三森とDeNAの濵口遥大との交換トレードが両球団から発表された。当時メキシコでプレーし今季からリリーフ転向予定だった濵口と、ソフトバンクでレギュラーを張ったこともある内野手の三森のトレードは驚きをもってファンに受け入れられた。
実際、三森本人はトレードと聞いたとき、どのように思ったのだろうか。
「僕は代理人の方から聞いたのですが、あまり驚きというのはなくて、すぐにもう一回、自分の野球人生を積み重ねていけばいいと思ったし、プラスに考えることができました」
すぐに切り替えることができた。ただ8年間過ごした愛着のあるソフトバンクを離れるのは寂しかったのではないだろうか。この問いに三森は軽くかぶりを振った。
「いや、寂しいというのはなかったですね。あくまでも野球選手は、試合に出て活躍するのが一番だと思うし、それはどのチームであろうが一緒です。僕としては、またここからベイスターズで(実績を)積み上げて行けば、また違う未来が拓けるはずだし、新鮮な気持ちでチャレンジしたいと思っています」
不完全燃焼だった昨シーズン
先ほど自分を冷静に見ることができると語っていたが、その目線は足元はもちろん、しっかりと行く末を見据えている。
昨季は不完全燃焼となった1年だった。“走攻守”を兼ね揃えたセカンドとして2022年、2023年シーズンは100試合以上に出場したが、昨季は開幕直後に右手人差し指を骨折し、さらに復帰後の5月30日の巨人戦(東京ドーム)で再び右手人差し指を負傷。右示指末節骨関節内脱臼骨折と診断され登録を抹消された。結局昨季は、25試合の出場に終わった。