ボクシングPRESSBACK NUMBER

「韓国でも井上尚弥の記事ばかりだった…」逃げなかったキム・イェジュンを母国メディアはどう報じた? “かませ犬”が韓国ボクシングに投じた一石 

text by

キム・ミョンウ

キム・ミョンウKim Myung Wook

PROFILE

photograph by東京スポーツ新聞社

posted2025/01/28 11:03

「韓国でも井上尚弥の記事ばかりだった…」逃げなかったキム・イェジュンを母国メディアはどう報じた? “かませ犬”が韓国ボクシングに投じた一石<Number Web> photograph by 東京スポーツ新聞社

井上尚弥の一夜明け会見にサプライズで登場したキム・イェジュン

 韓国でのスポーツ人気は野球、サッカー、バレーボールなどのプロスポーツが主だ。特に格闘技人気は低迷しており、前述したようにボクシング主要4団体で世界王者になったのは2004年にWBCスーパーフェザー級王座を手にしたチ・インジン(2006年に同王座に返り咲き、翌年にはく奪)が最後で、18年間も王者がいない。この現状が国民の関心の低さに直結していた。

 韓国のスポーツ記者は「井上ファンは韓国にも多いけれど、無名の選手を追いかけて取材するメディアはいないだろう」と話しており、実際に健闘したキムの姿を伝えるリアルなレポートがないことは少し寂しかった。

 そんな中、熱心にキムを追いかける韓国人がいた。話を聞けば、2017年から長らくキムを追いかけるドキュメンタリー映画のスタッフらしい。

ADVERTISEMENT

 引退するまでの10年計画のプロジェクトの過程で、まさか井上尚弥と対戦することになるとは――スタッフにとっても驚きだったに違いない。

 後編では、拳一つで成り上がったキムに密着してきたカメラマンに取材した。

〈つづく〉

#2に続く
「施設育ちの少年が井上尚弥と戦うなんて…」密着カメラマンが知るキム・イェジュン壮絶ボクサー人生「ひとりで生きるためにボクシングを始めた」

関連記事

BACK 1 2 3 4
#キム・イェジュン
#井上尚弥

ボクシングの前後の記事