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井上尚弥ラスベガス決戦の相手は“国立大に通う秀才ボクサー”? 「24歳アラン・ピカソ」とは何者か「IQが高くメキシコ人らしい強烈ボディが武器」
posted2025/01/28 11:02

井上尚弥の次戦の相手と目されるアラン・ピカソ(24歳)
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Hiroaki Yamaguchi,Getty Images
“モンスター”の次の標的は“メキシコからの刺客”になるのかもしれない。
世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は1月24日、有明アリーナで行われたキム・イェジュン(韓国)戦で4回KO勝ち。次戦は予定通り、ラスベガスへの再進出が予定されている。ここでの対戦相手候補の最右翼とされているのがメキシコ人コンテンダーのアラン・ピカソだ。
24歳のボクサータイプ、ピカソは31勝(17KO)0敗1分と無敗をキープ。なんと国立大にも通う異色のボクサーとしても母国では人気を博しており、メキシコ人、メキシコ系移民の多いラスベガスでの興行に起用するには適した存在と言えるのだろう。
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ピカソについてより詳しく知るため、メキシコ最大手のプロモーター、サンフェル・プロモーションズでピカソを担当するレネ・アビレス氏に話を聞いた。敏腕プロモーターの言葉からは、聡明な実力派であり、それでいて野心に満ちた怖いもの知らずの若者の姿が浮かび上がってくる。
(以下、アビレス氏の一人語り)
「交渉が順調に進むことを願っている」
井上対キム戦は井上がいつも通りの力を発揮したように思う。開始直後にキムを分析し、見極めたあとはもう時間の問題だった。4回に3、4発のパワーパンチコンビネーションをまとめてキムを葬り去った。韓国人の挑戦者は井上レベルのボクサーに対抗する術を持っておらず、誰にとっても予想通りの結果だったのではないか。
“モンスター”はもうすぐ32歳になるが、依然として強い。とても知性を感じさせるボクサーだ。経験豊富であり、本当に偉大な選手。年齢による衰えは感じられない。
ご存知の通り、井上が今春、ラスベガスで予定する次戦の対戦相手候補に私たちの傘下選手であるピカソが挙がっている。ピカソが対戦できる可能性は十分にあるが、今の井上には多くの選択肢があることもわかっている。サンフェル・プロモーションズも、ピカソ本人も、彼のトレーナーでありマネージャーの父親もみんなが望んでいる一戦であり、ミスター大橋(大橋ジムの大橋秀行会長)、ミスター本田(プロモーターを務める帝拳ジムの本田明彦会長)、トップランクとの交渉が順調に進むことを願っている。
24歳のピカソはすでにトップランク傘下の興行で何度か戦ってきた。井上がメインを張るラスベガスのイベントはトップランクの主催興行になるから、彼らに一任することになるのだろう。交渉がどう進んでいくか、これから様子を見ていきたい。