猛牛のささやきBACK NUMBER
「何でそんなに差が出るのか、自分にムカつくというか…」ドジャース入りの佐々木朗希へ“親友”宮城大弥(オリックス)の本音と「決めた覚悟」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/01/27 11:07
同い年の佐々木朗希と宮城大弥は唯一無二の親友だ
あと1回1/3で規定投球回に届いていた。そしてあと2回1/3を自責0で抑えていたら、ソフトバンクのリバン・モイネロを抜き、最優秀防御率のタイトルも手にしていたのだが――。
スタンドのファンに挨拶したあと、中嶋聡前監督が宮城の隣に寄り添い、声をかけた。2人の無念がありありと伺えた。
「もっと野球がうまくなりたい」
昨年12月の契約更改の際、宮城は「目指していた規定投球回っていうのは、いける自信しかなかったので、悔しさはありました」と振り返った。
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それでいて気持ちは切り替わっていた。
「すごくいい経験ができたなーと思います。なかなか、この野球人生の中で同じ経験をする人は少ないですし、おかげで、もっと野球うまくなりたいとか、怪我せずもっと投げたいとか、その(怪我で離脱した)時間がなければよかったなと、改めて思うようになったので、もっと野球がうまくなれるチャンスかなと今は思っています」
今年は、2023年まで山本由伸(ドジャース)がつけていた背番号18を背負う。
「(山本に)『欲しいです』って言ったら、『いいよ』と言ってくれて。『頑張れよ』という言葉をいただきました」
エースを背負う「覚悟」
昨年は、「チームとして、やっぱ由伸さんがいなきゃ、というような雰囲気もあった」と感じていた。
「そこを打破しないといけない。みんなでやればできると思うので、やり抜きたいなと思います」
その中心で“エース”の責任を背負う覚悟だ。岸田護監督からはすでに開幕投手に指名されている。
「プレッシャーとかすごくかかるかもしれないですけど、自分らしくというか、マイペースに。まあ、ほぼ先輩しかいないですけど、引っ張っていけたらなと思います」
言葉はいつも控えめだが、宮城大弥の胸の内は熱く燃えている。