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「原監督、勝ち逃げは許しませんよ(笑)」中央大・藤原正和監督が明かす、“青学大3連覇を止める”箱根駅伝プラン「とにかく太田君が厄介でした…」 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2025/01/24 11:11

「原監督、勝ち逃げは許しませんよ(笑)」中央大・藤原正和監督が明かす、“青学大3連覇を止める”箱根駅伝プラン「とにかく太田君が厄介でした…」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

今年の箱根駅伝、往路2位、総合5位と見事に復活を遂げた中大。藤原正和監督がNumberWebのインタビューに応じた

「私も中大の監督として10年目を迎えます。これまで浮き沈みはありましたが、選手の個性を生かしつつ、絶対的なスピードを武器にすべての距離に対応していくスタイルが確立されつつあると思います。今回の箱根駅伝は青学さんが大会新記録をマークしたようにスピード駅伝でした。ウチとしては10000m27分台の選手を7、8人作り、スピードで箱根を制す、ということを目標にやっていきます」

 現状、27分台の記録を持っているのは吉居駿恭、溜池、本間の3人。突入目前なのは岡田、そこに今回は故障で登録メンバー入りしていないものの、3000m障害で日本選手権2位に入った柴田大地(2年)などが27分台を出せるポテンシャルを持っている。

「青山学院の原監督は、円熟期を迎えられています。箱根に向けての『青山メソッド』が確立しているのが分かります。今回、閉会式の後にご自身の退任について言及されたようですが、勝ち逃げは許しませんよ(笑)。来年、再来年に退任ということはないでしょうが、青山学院が充実している間に倒すことに意味があると思っています」

1年後のプラン「山上りは候補がいます」「問題は6区」

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 中大はメンバーが多数残るだけに、楽しみは大きい。

「往路のメンバーでは、27分台の記録を持っている駿恭、溜池、本間がそのまま残ります。今回、溜池は故障明けでしたから、来年は本来の実力を見せてくれるでしょう。山上りについては候補者がいますので、十分に育成できると考えています。問題は、6区かもしれません。今回、青学大の野村君が56分台の扉を開けてしまったので、戦い方が変わらざるを得ません。少なくとも57分台で走れる選手がいないと、優勝争いで後手を踏んでしまいますから」

 4月からは、都道府県対抗駅伝の1区(高校生区間)で、区間賞を獲得した濵口大和(佐久長聖)も入学してくる。

「いまは練習を見るのが、楽しみで」

 昨年は「針の筵」でしかなかった中大の理事会への報告も和やかに終わったといい、藤原監督の構想も大きく膨らむ。

 2025年、中央大学は重要な「プレイヤー」になる。

<前編《誤算》編から続く>

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「緊張で眠れず、低体温症になったランナー」箱根駅伝、名門復活のウラ側…中央大・藤原正和監督が明かす“誤算”「青学大・野村君の56分台は想定外でした」

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