- #1
- #2
甲子園の風BACK NUMBER
「大阪の公立校」でも「本気で甲子園を目指したい」…大冠高校が“米殿堂入り決定”イチロー氏に伝えた想い レジェンドからの“まさかの反応”は?
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph byJIJI PRESS
posted2025/01/23 06:30
昨年11月に大阪・大冠高校の指導に訪れたイチロー氏。大阪桐蔭、履正社など強豪ひしめく大阪府で戦う選手にレジェンドはどんなことばをかけたのか
1日目は実技がメイン。下半身の使い方や股関節の使い方などをイチロー氏が選手たちに自身の動作を見せ、細かく説いていく。
「走る時も守備でのスタートやバッティングも、股関節の動きが元になっていると。股関節が一番重要だと言い続けていました。野球の理屈からしたらそうですよね」
今年で63歳になるベテランの東山監督も、イチロー氏の一挙一動に目が釘付けになったという。
ADVERTISEMENT
「イチロー氏のボールは最後まで伸びていましたし、どれだけ投げてもバテていなかった。見ていても下(半身)を使ってちゃんと投げているのが分かる投げ方で。51歳でも飛距離はまだ伸びているそうです。さすがです」
イチロー氏がオリックス、マリナーズなど国内外で躍動した映像はリアルタイムでは見ていないが、主将の加藤日向もやはりイチロー氏の存在感に圧倒されていた。
「普通なら手が届かない存在の方が僕たちに指導してくれるのかと、最初は半信半疑でした。イチローさんは僕のお父さんと同じくらいの年なのに、動きが全く違っていて。バッティングではスイングの強さがすごくて、51歳には見えませんでした。
身体の使い方など、イチローさんからは色んなことを教えていただきました。いつも監督さんから股関節を使うことの大事さを言われていましたが、イチローさんからも同じことを言われて、気づかされることも多かったです。下半身に重点を置いて投げる、打つことを徹底するようになって、球の伸びが変わりましたし、今までは球が垂れていたのに垂れなくなったんです」
大冠ナインの心に刺さった「金言」
実技以外にもイチロー氏との“ミーティング”の時間もあった。
選手側からの質問事項を事前に整理し、イチロー氏に問いかけた。その中でやはり球児たちの心に刺さったのは、心構えについての金言の数々だった。
<次回へつづく>