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「可能性しかない」レジェンドが称賛した“スーパールーキー”衝撃の登場…高校3年生の女子プロレスラー・山岡聖怜が大善戦デビューにも涙した理由
posted2025/01/18 11:03
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Essei Hara
キャッチフレーズはストレートに“スーパールーキー”だ。女子プロレス団体マリーゴールドからデビューした新人・山岡聖怜である。
2006年11月生まれの18歳。高校3年生だ。ベースはレスリング。中学・高校で全国レベルの実績を残した。姉がレスリング出身のグラビアアイドル・山岡雅弥ということもあり、デビュー前から注目された。まだ練習生なのに“JKプロレスラー”としてSNSを引用したコタツ記事が大量に掲載されたのだ。
団体からの期待も大きかった。8月の時点でデビュー戦が発表される。1月3日、大田区総合体育館でのビッグマッチだ。試合が近づくと公開練習とコスチュームのお披露目。レスリングの地力と凜とした雰囲気を併せ持つ、まさにスーパールーキーだ。マリーゴールドでは選手に背番号がつくのだが、山岡は18。団体の代表であるロッシー小川がつけた。曰く「野球でいうエースナンバーです」。
レスリングを活かしたプロレス
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プロレス入りのきっかけは、スターダムの“アイコン”岩谷麻優をモデルにした映画『家出レスラー』の出演者オーディションに姉の雅弥が参加したこと。最終選考に残った姉がリングで挨拶することになり、山岡も初めて生でプロレスを見た。そこで出会ったのがジュリア(現WWE/NXT)だ。
「ジュリアさんの試合は、見ていて吸い込まれるようで。アマレスは勝つためにやるものだけど、プロレスはそれだけじゃない。お客さんと一緒に作っていくものなんだっていうのが新鮮でした」
昨年、ジュリアはスターダムを退団しマリーゴールド旗揚げに参加。山岡は後を追うように入門を果たす。姉と同じく芸能事務所に籍を置いていながら「まずプロレスがやりたい」となったそうだ。
公開練習でお披露目されたコスチュームは「元気のよさを出したい」と本人のデザインでカラフルなものに。形としてはレスリングのシングレットだ。ニーパッドにはレスリングのピクトグラム。
「プロレスでもレスリングを活かした闘いを」
公開練習では各種スープレックスをはじめ、レスリングベースの技も披露した。アンクルホールドは相手の足を捉えてローリングしてから固める。ローリングからそのまま抑え込む動きも見せた。レスリングでの得意技は「投げからのフォールです」と山岡。