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「トレンド1位、いただきました!」箱根駅伝5区“例のポーズ”がSNSで話題沸騰…早大の“山問題”を解決「山の名探偵」まさかの名付け親は…?
posted2025/01/06 06:01
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph by
Nanae Suzuki
「“山の名探偵”、日本のトレンド1位いただきました!」
1月2日の芦ノ湖。箱根の山を激走した早稲田大学2年生“山の名探偵”こと工藤慎作は、うれしそうにスマートフォンの画面を見せてくれた。
昨年もXでトレンド入りを果たしたが、トレンド1位の“箱根駅伝”には及ばずに2位だった。
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「“山の名探偵”っていう二つ名を名乗っていくのであれば、そこ(Xのトレンド)でも勝負に挑むわけじゃないですけど、広げていきたい」
密かに狙っていたトレンド1位の座を1年かけて獲得した。
アカウント名も『工藤慎作 山の名探偵』と、自身の名前に二つ名を付け加えるほどの念の入れようで、箱根の山に挑む前は3000人台だったフォロワー数もゴールから70分後には一気に1000人も増えていた。1月4日にはついに1万人に到達。その反響の大きさには工藤自身も驚いている。
「“山の名探偵”で周知していただいている部分があるので、ものすごく気に入っていますし、広まってくれていることは、ただただありがたいと思っています」
キャッチーな「山の名探偵」名付け親は…?
“山の名探偵”のニックネームの由来を今一度おさらいすると、命名したのは花田勝彦駅伝監督だ。大学に入学する前に実施した鴨川合宿で上り坂を走る工藤を見て、そう命名した。メガネをかけて走るルックスが、花田監督に『名探偵コナン』を連想させたことが由来で、その主人公の本名(工藤新一)と名前が似ていたのはたまたまだった。
ちなみに工藤は千葉・八千代松陰高では数多くの難関大学合格者を輩出している特進コースに在籍していた。文武両道をこなし、名探偵ばりに明晰な頭脳の持ち主でもある。
また、トレードマークのメガネはスポーツ用ではなくいたって普通のもの。大学生になってからは度付きのサングラスで走っていた時期もあったが、1年目の出雲駅伝、全日本大学駅伝と思うような走りができず、自身が迷宮入りしそうになっていたところ、普通のメガネに戻した。すると、前回の箱根駅伝で5区6位と快走し、そこからはメガネスタイルに戻して活躍を続けている。
2度目の5区・山上りに挑んだ今回、区間新記録を打ち立てた青学大の若林宏樹には及ばなかったものの、工藤は区間歴代3位となる1時間9分31秒をマークし、区間2位と好走した。
「誰かに抜かされようと、自分が抜かそうと、自分のリズムでいこうと決めていた」