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「実は設定タイム通り」だった立教大“63年ぶり箱根駅伝シード権”届かず…監督は「私の読みの甘さ」予選会トップでも熾烈10位争い脱落のワケ 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2025/01/04 17:15

「実は設定タイム通り」だった立教大“63年ぶり箱根駅伝シード権”届かず…監督は「私の読みの甘さ」予選会トップでも熾烈10位争い脱落のワケ<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

シード権争い集団から脱落して無念の表情でゴールした立教大10区・永井駿を迎えるチームメイト

実は設定タイムの狙い通りの数字を出せていた

 10区間の設定タイムは、10時間58分20秒だった。

 実際の総合成績のタイムを見ると、10時間58分21秒。ほぼ設定通りだった。この設定タイムでいければ、10位以内は確保できると読んでいたのだ。

「でも、ダメでした。私の読みの甘さですね。シード権争いが設定タイム以上になるというのを読み切れなかった。選手は総合の設定タイムで走ってくれましたし、チームとしてやれることはやったと思います。だからこそ悔しいですね。

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 でも、ここからです。前回大会から、シードという言葉が選手から出ていたと思いますけど、今回本気でシードを獲りにいって獲れなかった悔しさは、今までと違うと思うんです。それを私があれこれ言うのではなく、彼らがどう感じ、どう受け止めて変っていくか、ですね」

「彼らはまだ腹八分目」

 選手の意識の改革とともに、今後チームとしてもすべきことが明確に見えた。

「選手層は、15名ぐらいは駅伝を走れる選手がいるんですが、そのレベルをもう1段、2段上げていかないといけない。うちは、馬場とかエースもいますし、走れる選手も2、3人います。でも、箱根で10番以内に入る戦いをするには、4番から15番目の選手のレベルをもっと上げていかないといけない。箱根は何が起こるか分からない、と博打に賭けるよりも、チームのレベルを上げて勝負していかないとシード権は獲れないので」

 予選会トップでも10枠に生き残れない厳しさが、箱根駅伝にはある。ただ、チームとして強くなるための課題を見つけ、選手も真剣に何かを懸けて戦う経験ができた。それも往路で8位になり、復路でシードを争うレースができたからこそ得られたものだ。その経験を一枚一枚積み重ねていく先に、シード権獲得が見えてくる。

「今回、箱根の厳しさを経験しましたが、彼らはまだ腹八分目。まだまだ伸びる余地がありますから」

 そう語る高林監督の表情からは、“来年こそは”の強い決意が感じ取れた。

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