「実は設定タイム通り」だった立教大“63年ぶり箱根駅伝シード権”届かず…監督は「私の読みの甘さ」予選会トップでも熾烈10位争い脱落のワケ 

「往路の走りを見て、復路の選手たちは、俺たちはやれるんだと思ったはずです。このまますんなりいくとは思えないですが、楽しみです。復路でキーになるのは、4年生ですね。往路は3区、4区、5区で4年生が頑張って繋いでくれたので、9区の安藤（圭佑）を始め、4年生がしっかりと走れるか。特に安藤は精神的にも戦略的にも支柱になっていますし、彼なくして今のチームはないので、最後はシードを決定づける走りをしてくれると思います」

　勢いがつき、レースの内容も悪くない。高林監督の表情は、復路に戦々恐々ではなく、むしろ真正面から戦えることにワクワクしているように見えた。

往路ゴールでは高林監督も笑顔だったが…　©Nanae Suzuki

「復路でバーンと蹴落とされた」

　だが、運命の復路は、厳しく、苦いレースになった。

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「往路でいい思いさせてもらったら、復路でバーンとシード圏外に蹴落とされました」

　高林監督は、レース後、渋い表情でそう言った。

　6区までは8位で耐えた。だが、7区で順大や東京国際大に追いつかれ、シード権争いに巻き込まれると、13位に脱落した。

　ここが大きな潮目になった。

　8区の山口史朗（4年）は好走したが13位は変わらず、9位タイの東洋大と日体大とは1分2秒差だった。9区、キャプテンの安藤の走りに期待が寄せられたが、シードを争う東洋大、順大、日体大、帝京大が集団走で加速していく中、その差を詰めることができなかった。

競り合う強さが足りなかった

　立教大は、総合13位に終わり、掴みかけたシード権の尻尾を手放してしまった。

　キャプテンの安藤は悔しさを噛み締めていた。

「往路まではすごくいい流れで、自分たちもよし、という気持ちでした。でも、復路はなかなか流れに乗り切れず、苦しい走りになってしまった。シードを争うということになった時、競り合う強さがまだまだ足りない。他校は、そこで絶対引かない強さがありました。自分も含めて、そこを走りで出せなかったのが悔しいです」

　復路では10区で東京国際大、東洋大、帝京大、順大が最終3枠を争ったが、この4チームの争いは見ごたえがあった。駆け引きしながら最後は自分が勝つんだという気持ちの強さを存分に示し、バチバチに叩き合うシーンは迫力十分だった。

復路10区、シード権3枠を4校が争ったゴール前の死闘は今大会の名場面のひとつになった　©Kiichi Matsumoto

シード権争いの集団に残れていれば…

　立教大もそこに留まっていれば、勝負はできたはずだ。高林監督が「カギになる」と予想した4年生は、8区で山口が区間6位と好走し、9区の安藤も11位にまとめていた。だが、その前後で崩れてしまい、シード権争いの集団から離されたことが痛かった。

　ただ、高林監督は、「狙い通りのレースが展開できた」という。

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