同期の仲間と花道が飾れれば

「流れとしてさ、坂本（勇人）という旧友というかさ、同期の仲間がいるわけだから。その中で一緒に花道が飾れるのであれば、これ以上カッコいい終わり方はないなと思ったから。その条件を満たす球団はジャイアンツだということを思って発言したわけだ」

2013年、日本シリーズであいまみえた田中と坂本。今度は田中が背番号「11」を背に共闘することになる　©JIJI PRESS

　キヨシのロマンのとおり、田中は巨人入団に合意。では、セ・リーグ王者が獲得に動いた理由はどこにあったと中畑氏は考えているのか。

「それはたまたま菅野（智之）が抜けるし（＝海外FA権を行使し、オリオールズに移籍）。そういった意味で、マー君ならその役割を担ってくれるんじゃないかと。若い選手にいいアドバイザーになってくれるんじゃないかということで、戦力というだけでなくして、プラスアルファ、チームにとって貢献できる選手ではないかと考えたんじゃないの」

生きた教材が手に入るんだから

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　実際、同じ兵庫出身で10歳下の山崎伊織が「聞きたいことはたくさんある」と語るなど、後輩たちへのプラスの影響も期待できるだろう。中畑氏が続ける。

「投球術とか、経験談というのはベテランしか持ってない教材だからね。生きた教材が手に入るっていうことだから。投球術の中に生かしていけるように、アドバイスなどをしてくれることが、ベテランを獲得する条件の一つになってくると思うけどな」

　田中の経験談は後輩たちにもヒントになるだろうが、肝心の投球面はどうか。2024年は状態が上がらないまま1試合しか登板できなかったが、プロ19年目、36歳で迎える来季は戦力としてどの程度期待できるのか。

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