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「昨年ほどの達成感はない」坂本花織の“発言の真意”とは…?「息が荒くなるくらい」極限の緊張も、全日本選手権“4連覇の快挙”の舞台ウラ 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto

posted2024/12/24 17:17

「昨年ほどの達成感はない」坂本花織の“発言の真意”とは…?「息が荒くなるくらい」極限の緊張も、全日本選手権“4連覇の快挙”の舞台ウラ<Number Web> photograph by Asami Enomoto

全日本選手権4連覇を達成した坂本花織

 若い世代が成長し、目標とされ、追いかけられる立場にある。その中で、優勝の期待がかかる。「本命」と目される位置にいる。

 しかも今大会は、万全と言える過程を踏めずに臨んだ試合でもある。それでも重圧に押しつぶされることなく、持てる力を発揮してみせる。

 その原動力は、本人の言葉にある。「今年を漢字一文字で表すとしたら?」と尋ねられ、考えた末に坂本は答えた。

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「『つむ(積)』。今までの経験というのもありますし、今シーズンからいろんな挑戦をしてきていろんな経験を積んだシーズンでもあるし、今までの経験がいきたシーズンでもあるので。今年はいいことも悪いことも、『あ、こうしたらいいんだな』と積むことができたので」

坂本の“経験”が生きたある場面

 数々の経験を重ねてきた。それを無駄にせず糧としてきたところに坂本の真骨頂がある。

 経験ばかりではない。ジャンプをはじめ、それぞれに磨きをかけ続け、基礎的な技術の向上を図り、さらにはさまざまな種類の曲に取り組みつつ、表現の幅も広げてきた。一朝一夕では得られないそれらもまた、積み重ねて我が物としてきた。今日、一段高いところにいる理由がそこにある。

 それでも「悔しい」「守りに入った」と悔やむ。具体的には、予定していた3回転の連続ジャンプの2つ目を2回転に切り替えたところだ。

「(1つ目を)オーバーターンしてしまって、一瞬、(2つ目を)3(回転)にするか2(回転)にするか迷って。これでルッツ、ループに影響したら、失敗したら元も子もないな、と守りに入って。そこがちょっと」

 見方を変えれば、瞬時にそれだけ考えて即断できたのは坂本の経験だ。でも、それを「守りに入った」と反省材料にするのも坂本の姿勢を示している。

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