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「昨年ほどの達成感はない」坂本花織の“発言の真意”とは…?「息が荒くなるくらい」極限の緊張も、全日本選手権“4連覇の快挙”の舞台ウラ

posted2024/12/24 17:17

 
「昨年ほどの達成感はない」坂本花織の“発言の真意”とは…?「息が荒くなるくらい」極限の緊張も、全日本選手権“4連覇の快挙”の舞台ウラ<Number Web> photograph by Asami Enomoto

全日本選手権4連覇を達成した坂本花織

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph by

Asami Enomoto

 やはり、強かった。

 12月22日、フィギュアスケートの全日本選手権女子フリーが行われ、坂本花織が優勝した。今回をもって、史上9人目の4連覇達成となった。

点数も内容も圧巻だった

 20日に行われたショートプログラムではシーズンベストまでわずか0.01点に迫る78.92点をマークし1位。2位にはトリプルアクセルを成功させるなど技術点でトップの得点をたたき出した島田麻央が75.58点でつけ、3位にはグランプリファイナルで2位だった千葉百音が74.72点で入った。いずれも好演技を見せ、逆転可能な範囲にいた。

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 迎えたフリー。最終滑走手前の島田麻央が、4回転トウループこそ転倒したものの、ショート同様、高い技術点とともに143.42点、総合219.00点と、その他の選手に12.60点以上の大きな差をつけてトップに立つ。

 残るは坂本のみ。中野園子コーチから背中を押され、リンクに進み出る。

 曲がスタート。冒頭のダブルアクセルは「若干、軸が歪んだ」(坂本)が、いつものように成功させる。その後も次々にジャンプを決めて高い加点を得る。

 ミスらしいミスと言えば、後半、3回転の連続ジャンプを予定していたところで、最初のジャンプがオーバーターンしたところ。でも2つ目を2回転に切り替え、乗り切った。

 終わってみれば149.76点、総合では228.68点の圧勝を演じたが、全体を通じてのスピード、1つ1つの技の切れ味、内容そのものも圧巻だった。12月上旬のグランプリファイナルでは3位に終わり、帰国後は胃腸炎に見舞われ、「筋肉も落ちて」、迎えた大会だった。

「息が荒くなるくらい」緊張していた

 演技の前、「息が荒くなるくらい」、緊張は大きかったという。

「でも曲が鳴るまでには落ち着いていたので、本番はけっこう落ち着いていました」

【次ページ】 坂本の“経験”が生きたある場面

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