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「彼がキャプテンを務めたのは特別なこと」トム・ホーバスHCが「最後の代表活動」比江島慎(34歳)にかけた言葉の真意「あれは素敵な瞬間でした」 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2025/01/11 11:09

「彼がキャプテンを務めたのは特別なこと」トム・ホーバスHCが「最後の代表活動」比江島慎(34歳)にかけた言葉の真意「あれは素敵な瞬間でした」<Number Web> photograph by FIBA

代表での最後の試合となり得るアジア杯予選ではキャプテンも務めた34歳の比江島慎。ホーバスHCが「特別」と評した、ベテランへの想いとは?

 そして、代表を通じて出会えた全てのものへの感謝を口にした。

「ありがとう」

 最後のフリースローは、きれいにリングを通過した。残り10秒を切った時点で、リードは5点に広がった。これで、試合は決まった。

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 そこからは、自身に向けられたテレビカメラの一つひとつの前に立って取材に答えていった。気がつけばチームのなかで最後にロッカールームへ戻った。そこで自分を待ち受けていた選手たちとハイタッチを交わした後、スピーチを求められた。このチームでは、キャプテンがチーム全員に向けてメッセージを発するのがお決まりなのだ。

 そんな心温まるやり取りを終えた直後、記者会見へ登壇したホーバスHCは、あの時間をこんな風に振り返っていった。

「彼が私たちとともに戦ってくれて、幸せでした。彼は素晴らしい選手で、日本バスケットボール界のために多くのことをやってくれました。私は、彼がキャプテンを務めたのは特別なことだと考えています。マコがキャプテンなので、我々は最後に彼にスピーチをするように頼んだんです。そのとき、彼は心を開いて、話してくれたのだなと感じました」

 そして、ホーバスHCはかみしめるように、こう続けた。

「あれは素敵な、素敵な、瞬間でした」

代表のキャプテンとして…「みんなは本当に強いから」

 では、比江島があの場で伝えたかったことは何だったのか。

「全部は覚えていないですけど……」

 そう言って、比江島はキャプテンとしての最後のメッセージを明かした。

「自分が最初に代表に入ったときと比べると、本当に、格段に日本代表は強いと思っています。(世界ランキングでは格下の)グアム相手だったけど、アウェーで追いつかれて勝ちきるというのは、本当に、昔にはなかった強さだから。自信を持って良いし、(2025年8月の)アジアカップでも、このメンバーならアジア1位になれる。

 ここにいるみんなは、W杯や五輪に向かってチームを支えていく大切な選手だから、どうか、ステップアップしていってください。これからはアジアでも追われる存在になるかもしれないけど、みんなは本当に強いから。自信を持って、次に進んでいきましょう。ありがとうございました」

 これが比江島にとって代表最後のメッセージになるのかどうかは誰もわからない。

 ただ、自分が日本代表で多くのことを経験し、成長させてきてもらったと確信している。だから若い選手たちにそのような言葉を残したかったということだけは、ゆるがない事実である。

「ありがとう」

 あれは、日本代表での最高の経験をさせてくれた全てに向けた感謝の言葉だった。

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「『もう必要ない』と言われたりもしましたけど」…代表活動は「最後のつもり」バスケ日本代表“諦めない男”比江島慎(34歳)が語る“苦労人の軌跡”

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