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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「負けても負けても取材を受け続けた」DeNA初代監督・中畑清が勝てなくても貫いた信念「お客さんの入らないチームは絶対強くならないんだ」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/12/11 11:01
DeNA初代監督時代の中畑の雄姿。熱いぜ!
球団初となるスペシャルユニフォーム付きチケットに始まり、ペンライトの無料配布、イニング間には山下ふ頭での打ち上げ花火、新応援歌「勇者の遺伝子」を作曲した布袋寅泰による生演奏など盛りだくさん。その効果もあって、最終日には横浜スタジアム歴代最多となる3万39人の大観衆を集めた。
投げ込まれるペンライトの前で挨拶した
しかし試合は中日相手に3連敗を喫し、明るいイベントとは対照的にグラウンドは暗い雰囲気に包まれる。試合後のセレモニーで場内が暗転すると、スタンドのあちこちからペンライトが投げ込まれるという事態が起こった。最後は監督、選手がグラウンドに出て挨拶で終わる予定であったものの、広島戦から続いての5連敗にファンの怒りが収まらず、現場からも急遽挨拶はなしにしたほうがいいという声まで飛び出した。イベントを続ける雰囲気ではなくなっていた。
ベイスターズは変わった、と印象づける意味でも挨拶してほしいというイベントスタッフの気持ちを尊重した中畑は、「会社の人がこれだけ頑張って満員にしてくれたんだ。全員、並ぶぞ!」と号令を掛けた。選手を連れてペンライトが投げ込まれたグラウンドに整列し、厳しい言葉を正面から受け止める中畑がいた。
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あのときのことを覚えていますか?
ファンあってのプロ野球なんだから
中畑に言葉を振ると、「当たり前だよ」と頷いた。そしてこう言った。
「ファンの前に出ていって、心から謝るっていうこと。(怒りの)原因は俺たちにあるんだから、そこを自覚しないとファンとキャッチボールできないし、心から応援してもらえるチームにはなれないから。これだけみなさん怒ってんだぞって、自分たちの戒めにしなきゃいけなかった。お客さんの入らないチームは絶対に強くならない。ファンあってのプロ野球なんだから。それを俺はずっと言い続けてきたから」

