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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「僕と比べるのは失礼ですよ」ドイツで未だ現役プロ選手…本当の“最後の松坂世代”久保康友(44歳)が盟友の引退に思うこと「和田は本当にすごい」
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph by(L)Hideki Sugiyama、(R)AFLO
posted2024/12/05 17:29
1980年生まれのいわゆる「松坂世代」の和田毅(左)と久保康友。世代最後のNPB選手の引退に、未だ現役を貫く久保は何を思ったのだろうか?
「自分では、そんなつもりは全くないんですけど(苦笑)。でも去年、自分がドイツでプレーしたことで日本とドイツのルートができてきたようには感じます。今年、ドイツの同じリーグに岡田(竜汰)を含めて日本の独立リーグから5~6人の日本人選手が来たように、ドイツに行きたい選手が増えただけでなく、ドイツの指導者が日本人を取りたい、という流れができたのかもしれないです」
それでもヨーロッパで単体の国が野球のリーグを運営するのは難しいのではないか、と久保は明言する。
「チェコは最近、日本との関係性が出来てきているように思いますけれど、ドイツは国で野球のリーグを運営する規模が小さいので、メジャーの支援がないと厳しいんです。でも、日本人がヨーロッパを行き来するようになれば、そういう風潮も変わっていくかもしれないですね。
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日本人の野球への慣習を学ぶことで野球に興味を持つ選手が増えれば、将来NPBでドイツ人でも育成で獲得したいと思う選手が出てくるかもしれないし、日本も馴染みが薄いヨーロッパの文化を学ぶことができるので、ウィンウィンになることも多いんじゃないですかね」
「欧州の人の力の抜き方を日本人も学んだ方がいい」
さらに久保はこんな思いも口にする。
「ヨーロッパの人の適度な力の抜き方を、ある意味日本人も学んだ方がいいと思っていて(苦笑)。日本人は本当に真面目に練習するのですが、むしろ練習しすぎっていうくらいなんですよ。そんなに気を張って練習せんでもいいのにって見ていて思うこともあります」
それは生真面目すぎる日本人に、少しでも違う風に当たることで肩の力を抜いて欲しいという、久保のちょっとした“願望”でもある。
「日々の練習の中で、今置かれている環境で苦しんでいる日本の選手もいると思うんです。でも、野球で失敗しても死ぬわけじゃないんですから、ヨーロッパの人のように適度に力を抜きながら備えるところも見た方がいいって、ドイツに来て思いました」

