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「ハリモトと力比べをすることになる」中国メディアの予言…張本智和がまたしても“中国勢から2勝”の凄み 「いい1年ではなかった」発言に続いた一言
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byGetty Images
posted2024/11/27 11:00
強敵が揃うWTTファイナルズ福岡にて、準優勝を果たした張本智和
「シンプルにすべての面において相手が上でした」
ただ決勝は勝手が違った。相手は世界ランキング1位の王楚欽(中国)。
「文字通りの完敗です」
多くの中国の人々が会場で王に声援をおくる中、第1ゲームのスタートから10連続失点を喫する。その後も、チキータをバックハンドで狙われ、突破口を見いだせないまま、0-4のストレート負けとなった。
「シンプルにすべての面において相手が上でした」
と張本は相手を称えた。
優勝こそならなかったものの、中国勢2名を破っての決勝進出は、地力の向上を思わせた。
「ハリモトと力比べをすることになる」中国メディアの予言
先にも記したアジア選手権での優勝、今大会と着実に成果を残してきた。それにとどまらず、中国からも関心を持たれる存在となってきた。
2022年の世界選手権団体戦では準決勝で日本と中国が対戦し2-3で中国が勝利したが、このとき、日本の勝利は張本がシングルスであげた2勝。大きな反響をもたらした。
とりわけ、世界ランキング1位(当時)の樊振東からの勝利はインパクトを与えた。大会を伝える中国メディアの記事には、長い間にわたり、地球上で樊振東に勝つことができたのは中国の英雄・馬龍だけだったことを記しつつ、「今後の10年、張本と力比べをして行くことになるだろう」としていた。
今夏のパリ五輪では、シングルス準々決勝で樊振東と対戦した。最後まで競り合いながら、3-4で張本は惜しくも敗れた。樊振東は「ずっとプレッシャーをかけられていました」と試合後に語り、張本の力を認めた。
そのパリで、張本は目標としていたメダルを、出場した混合ダブルス、シングルス、団体戦の3種目いずれでも手にすることはかなわなかった。失意をもたらす結果だった。